資産運用/資産運用をするときの鉄則

賢い個人投資家は自分の素直な感情に逆らう

直感的、本能的に市況に反応していては失敗します。すべての資産を横断的に見た上で、自分が投資する対象を絞り込むというマクロな姿勢を忘れないでください。それは感情を排除するための合理的なプロセスです。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

  • Comment Page Icon
資産運用の基本は、メジャーな資産を組み合わせる分散投資です。そして、資産運用において致命的な失敗は、情に逆らえず高値つかみをしてしまうことです。

安い資産を拾い集める

写真のタイトル
高い資産と安い資産、あなたはどちらに投資したいですか?
財産の三分法とか、アセットアロケーション理論とか、むずかしい理屈はいろいろありますが、まず気楽に始める資産運用としては、現在安値にある資産を無理のない金額でコツコツ買っていくことがおすすめです。

何が安くて、何が高いのでしょう?世界中のメジャーな資産の値ごろ感を、ガイドの独断で次のように表示してみました。

写真のタイトル
2008年3月末の時点でのメジャーな資産の価格傾向。高値圏にある資産がさらに上がるかもしれない。しかし、それは神のみぞ知ること!私たち個人投資家は無謀な予測をせずに、過去30年の長期の価格推移の中で、今を判断すれば十分ではないだろうか?

意外と、人は高値のものに関心を持ち、安いものに冷淡ですが、大投資家のジム・ロジャーズはこういってのけました。投資なんてかんたん!人が捨てていった掘り出し物を拾っていくだけのことだと。

時間軸によって異なる判断

ところが、コトがそう単純でないのは、歴史的な高値圏にある金(ゴールド)のことを「今は下がっている」と表現する人もいるからです。諸説紛々となり初心者は混乱します。

実は、高い、安いという判断の違いは、その人の時間軸による違いなのです。たとえば、短期投資家と長期投資家の違いです。高値圏にあっても三日続けて下がっていれば、短期投資家は「今は下がっている」からチャンスだと叫びます。反転したら、すぐに売って小さい利益を確定させて喜ぶからです。

しかし、長期投資家は相場や市況を毎日ウオッチし続けるようなことはしませんから、小さな値動きやチャンスは、一種のノイズ(雑音)に過ぎないと割り切ります。この記事は、投資の初心者を読者として想定して書いていますので、ほとんどの方が長期投資を心がけるべきと申し上げます。高い安いという判断も、過去数十年の価格推移の中での相対的評価でいいのです。

高いものを買わない。値ごろな資産だけを拾っていく。こんな堅実は方法をなぜか専門家は「逆張り」と呼ぶ。なぜなんだろう?詳しくは次のページで
  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます