彼ら二人の違いは、株のピーターリンチ、債券のビル・グロースです。そして、グロースはヨガとゴルフを愛し、精神的な探究心の深い哲学的な債券王です。
株がいつも良いとは限らない
本書はグロースを描いた本だが、グロース自身の著書もある。『発想の大転換 21世紀に向けての投資運用』東洋経済新報社刊 |
「株式がつねに債券よりも有利であるとは限らない」
(ビル・グロース著『発想の大転換 21世紀に向けての投資運用』東洋経済新報社刊より引用)
この世界でメジャーな投資対象は、株と債券と不動産です。しかし、個人投資家は債券の使い方が下手です。ビル・グロースを知ることは債券の扱い方を学ぶことです。
債券投資家と株式投資家の根本的な違いは、「株式投資家が空を見るのに債券投資家は天井を見る」という古い格言がウォールストリートにあります。債券は元本を維持しながら確実な配当や利子を受け取る堅実な資産です。防衛的な投資家や嵐が来るときに備えたい投資家には、債券は貴重な避難港なのです。
たとえば、2000年から2002年にかけての世界株安時に、海外債券は3年間を通じて10%以上のリターン(円ベース)を築いてきました。
世界の趨勢を見て長期投資
他の大投資家と同様に、ビル・グロースは長期投資を推奨しています。「3ヶ月から5ヶ月の短期サイクルの予測ではなく、3年から5年先までの世俗的展望に注意を集中すれば、マネーマネージメントにつきものの感情面からの影響力をかなり排除することが可能です」(発想の転換 21世紀に向けての投資運用』東洋経済新報社刊より引用)
さらに、次のようにも書いています。
「地平線に目を向けてそこに到達するまで航海をし続けてください。私たちにとっての理想的な地平線は3年から5年先にあります。なぜなら、それによって日常的な感情の動きを排除し、相場の動きに重要な影響を及ぼすマクロ経済的な傾向に焦点を絞って見ていくことができるからです」
どんなに困難な環境にあっても、時間のある人はポリシーを貫いた投資ができるので、最強の投資家なのです。
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