さて、3,000万円の準備計画を考え始めましょう。柱は大きく分けて4つです。
(A)退職金や企業年金
(B)自助努力で備える分……預貯金や有価証券など
(C)自助努力で備える分……個人年金保険や各種制度の活用
(D)土地や住宅など不動産(今住んでいるその家)
(A)退職金や企業年金
ある統計によると、自分が辞めたときの退職金を計算したことがない人が半数以上だそうです。50歳代の平均でもそうなのですから、驚きます。
まず、退職金や企業年金の受け取り予想額を計算してみましょう。あまり過信は禁物ですが、中小・中堅企業でも1,000万円、大企業では3,000万円以上になることもある退職金ですから、これを考えずに老後の資金準備計画は立てられません。
実際に辞めたときにいくらになるかはともかく、「今の制度でいくらもらえそうか」についてはきちんと把握しておきましょう。
(B)自助努力で備える分……預貯金や有価証券など
老後資金準備というと、「○○年金」とかいう商品名が思い浮かびます。しかし、普通に貯めている預貯金や、普通に購入している有価証券(株や債券、投資信託)なども老後資金準備の一部だと考えてください。
もちろん、多くの場合、他に使い道があるかもしれません。しかし、残ったお金はすべて老後の資金に化けてくれます。つまり、教育資金などのために貯めたお金も余ったら全部老後資金準備の一環になるということです。とにかくどんな形でもいいので、お金を増やしておくことが、老後のために生きてくるわけです。
(C)自助努力で備える分……個人年金保険や各種制度の活用
そのほか、民間や国が提供している様々な制度を活用して老後資金準備を行うことができます。税金がトクするなどのメリット、手数料などを比較して検討をしていってください。以下に代表的な制度をあげてみます。
<会社員が入れるもの>
財形年金、個人型401k(会社が企業年金を持たない場合)
<自営業者が入れるもの>
個人型401k、国民年金基金
<誰でも入れるもの>
個人年金保険(定額年金保険)
個人年金保険(変額年金保険)
その他、終身保険の満期金などもある
(D)土地や住宅など不動産(今住んでいるその家)
意外に思うかもしれませんが、今住んでいる家も、老後資金準備の最後の砦と考えておきましょう。どうしてもお金が足りないときは、住宅を担保にお金を借りることもできます(リバース・モーゲージ)。
また、住宅を売却して夫婦で住むにちょうどいい広さの部屋に移ることも考えられます。特別養護老人ホームなどの終身看護をお願いする際に、住宅を売ったお金を元手にすることも考えられます。
もちろん、住宅は、売らなくていいなら子どもに残してあげられる財産のひとつ。でも、もしものときには大きな味方になる老後資金準備の影の切り札なのです。
◇
老後資金準備の手法についてあれこれ説明してきました。具体的なアプローチについては、引き続き紹介していきたいと思いますので、「この制度を知りたい」などのご要望ありましたらメールをお寄せください。
CHECK POINT |
・過信は禁物だが、退職金や企業年金をきちんと予想する ・預貯金や投資信託・株なども老後資金準備の一部分 ・税金がトクする、いろいろな制度の活用も考えてみる ・もしものときは、家や土地もあなたの財産になる |