将来のことなんて分からないが、計画は必要だ!
ライフプランを考える際に、一番簡単なのは「分かっている将来」について準備することです。たとえば、子どもが生まれれば15年後に高校に入学する年齢になり、18年後に大学に入学する年齢になりますから、そのとき必要な学費を準備しようと考えることができます。あるいはいつかは家を買う、という目標がはっきりしている人は、そのために必要な頭金の準備を始めることができます。もちろん、とても重要なことです。しかし、家を買うか分からないから、貯金をしなくてもいいか、というとそうでもありません。むしろ、分からないうちから早めに準備しておけば、計画が見えてきたとき、その実現性がぐっと高まります。たとえば、「家を買いたい」と思ってからあわてて頭金として500万円貯めようと思ったら、ある程度の時間がかかってしまいます。しかし、それまでに可能性を考慮してコツコツお金を300万円貯めていたとすれば、目標に200万円で到達できます。あるいは頭金を800万円にして返済計画をぐっとラクにできるかもしれません。分からない可能性を見据えて早めに計画をしておけば、人生に大きなゆとりがでるというわけです。
分からない将来のために計画をすることを仮に「分からないけど計画」と呼ぶことにしましょう。「分からないけど計画」が重要なのは、まとまったお金は簡単に準備できないからです。やはり、私たちにとって数十万円を超えるお金はぽんと用意できるものではありませんし、仕方なく借りてしまえば必ず金利負担が後からのしかかってきます。「分からないけど計画」により、お金を早めに貯めておくことができれば、夢がかなうのも現実的になるというわけです。
また、老後の資金準備も「分からないけど計画」のひとつです。60歳過ぎても元気でいられるかは分かりませんし、そのときどのような経済状況であるかを予想することは困難です。また、「老後は10年」などと勝手に決めてしまうこともできません。しかし、老後のお金を国の年金だけに頼るのは困難な情勢です。老後のお金は「分からないけど……くらいは準備しよう」という計画を考えざるを得ないテーマなのです。
「分からないけど計画」を考えてみる必要、少し理解してもらえたでしょうか。
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