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「会社に人生を預けるな」は正しい!?(2ページ目)

勝間和代氏の著書「銀行にお金を預けるな」は間違いだ、と指摘したことがある筆者ですが「会社に人生を預けるな」には大いに賛同します。マネープラン的に対策を考えてみます。

山崎 俊輔

執筆者:山崎 俊輔

企業年金・401kガイド

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ひとつの会社への依存度合いが高いことがもっとも危ない!?

会社にリスクを預ける、とはどういうことでしょうか。普通に働くということは、一つの会社で勤める状態です。その会社で仕事に集中し、うまくいけば評価が上がって年収も増える状態の何が危険なのでしょうか。

私が考えるリスク管理のあり方として良くないのは「一つの組織に全てを依存してしまう状態」にあります。
自分の年収、自分の評価、自分の将来、のいずれもが一つの会社に依存しているということは、一つの会社の行く末に自分の人生すべてが影響するということです。

会社という組織が40年にわたって、安定的に成長を続けていくことがあると思いますか? 私はそれは「運次第」だと思います。業種の盛衰に巻き込まれることもあるでしょう。あるいは、同業他社は伸びたものの、自分の会社は出遅れてしまうこともあります。

もちろん逆に動くこともあります。自分が入社したときは会社の伸び盛りで、自分の給料もどんどん上がるし、チャンスももらえるし、役職も上がる、ということは時々あります。これはラッキーな部類です。

もちろん自分自身のがんばりが影響を与えることもあります。会社を大きくするのは自分の実績だ、ということになれば素晴らしい話ですが、確率としてはあまり高そうにありません。一般論としては、そういう要素で会社の盛衰が決まることはほとんどないでしょうし、そこまで能力がある人はそもそも会社に「依存」していないのでしょう。

「会社とあなたの関係」を総合的に考えれば、あなた自身の能力によりそうした差が出るより、「たまたま」うまくいったり、「たまたま」うまくいかなかったりすることが正直なところなのでしょう(過去数十年は「たまたま」日本経済が好況だったからうまくいっていたのかもしれません)。

しかしうまくいくほうは問題ありませんが、うまくいかなかった場合、かなり深刻な状態になります。給料は増えないかもしれません。あるいは現役時代はまあまあと思っていたら退職金ももらえないかもしれません。もしかすると厚生年金保険料も払っていないかもしれません(誤解なきように言っておきますと、保険料を社会保険事務所がむやみに減額するのではなく、最初に会社が滞納したので、減額扱いで処理したのです。要するに最初に悪いのは会社の社長なのです)。

さて、「たまたま」に依存していたとして、最悪の事態になったらどうでしょう?
もし明日会社に出かけて、会社が倒産していたとしたら、あなたはどうしますか? 「ただ困るだけ」という人がいたら、あなたは会社に依存している証拠です。少し「会社に依存しない」関係を考えてみてください。会社のことを過信するよりは、少し疑ってかかり、自立することも考えておくくらいが今の世の中にはちょうどいいのです。だって、会社はあなたの忠誠心が高かろうと、払えないときは給料やボーナスを容赦なく減らすのですから。


→依存せずに自分を自立するいくつかの方法をご紹介。次ページへ
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