マネープラン/ゼロからはじめるマネープランの考え方

世界に1つ!“自分ブランド”で輝け(4ページ目)

自分ブランドを持つ人は、競争とは無縁の世界を作り出し、自分らしく自由に生きることが可能になります。では、そのために何をどう考え行動すればよいのでしょうか?

午堂 登紀雄

執筆者:午堂 登紀雄

ニューリッチへの道ガイド

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4、「一貫性がある」

ブランド形成には時間と努力が必要ですが、乗り越えれば違う世界が広がります
「絶対に妥協しないで考え抜くのが自分のポリシーだ」と普段は言っておきながら、時間がないとか言い訳をして、行き当たりばったりの対策や詳細が不完全な案を出してしまえば、「あの人は考え抜く知的体力が欠如している」というマイナス評価になってしまいかねません。

「常に具体的な問題解決策を提案できる人材」というブランドを作りたいと思っていても、会議の場で「根本的な改革が必要です」などという抽象論を発言していては、信頼を裏切ることになります。

以前は「ロジカルシンキングの時代だ」、とか言っていたのに、直観力が流行ると、「これからは直感力の時代だ」と言うのは、相応の関連性や具体的根拠がなければ、薄っぺらい主張をする人だ、という評判になってしまいます。

経営ビジョンやミッションが、競合他社の動向に影響されてころころ変わるような上司や経営者も、単なる気まぐれでいきあたりばったりだというマイナスのブランドになってしまいます。

ブランドとは一貫性が重要です。もちろん時代や環境の変化にあわせて対応を迫られる場合もありますが、それは「進化」ですから、「変える」ことではありません。変える場合も確固たる根拠なり、背後に流れる一貫した哲学や価値観は変えてはいけません。

ですから、一度掲げたブランドは、そう簡単に変えることはむしろリスクです。ソニーが冷蔵庫や洗濯機を出さないのは、哲学があり、ブランドとしての一貫性を保つためです。


5、「常に成果を出す」

信頼性を高めてブランドを築くには、あなたが築きたい分野で、成果を出し続けていかなくてはなりません。どんなブランドであろうと、能力を証明できてこそ、信頼を得てブランドになるのです。

いくら「私はすごい人材です」とか「やる気だけは誰にも負けません」と主張したとしても、それを具体的客観的に証明できなければ、口だけの人で終わってしまいます。

こうと決めた分野では常に高いクオリティの結果を出すようにするのです。そうすると、徐々に、「企画書作りならあの人に聞こう。きっと新鮮なアドバイスが聞けるはず。」「銀行との交渉ならヤツに出てもらった方がいい。」となっていきます。

自分自身の能力を高める過程では、アピールは控えめに、成果は大きく出すというのがセオリーです。最初から大きなことを言って自分を追い込むのも一つの方法ですが、大きなリスクと裏表ですから、普通の人はあまり周囲の期待を煽らず、陰で大きな努力をして期待以上のアウトプットを出すのです。あなたの周りの「仕事がデキる人」もやはり信頼を裏切らない成果を出しているはずです。

また、ブランドは信頼の約束と述べましたが、当然ながら約束は守らないといけません。時間を守らない電車に誰が乗るでしょうか。多少の見栄・誇張はOKだと思いますが、うそを言ってはいけません。「信頼の企業」と言いながら、お客様相談室に電話すると、いやな気分にさせられる企業がどれほど多いことか。しっかりと成果を出し、期待された約束は必ず守る。これこそがあなたの信頼性の証です。


周囲のブランド人に近づき、まねしてみよう

ブランド作りといってもなかなかイメージできないな、と思ったら、あなたが「こんな人うらやましい」と思える人を探して、まずはブランドになっている人を研究してみましょう。そしてやはり、ブランド人になりたければブランド人の側にいること、そういう友人を持つことが必要です。「一流になりたければ一流の人たちと同じ空気を吸え」と言われますが、それと同じです。

社内にもいませんか。「あの人は仕事ができる」「あの人は次期幹部候補と目されている」「彼(彼女)はすごいらしいよ」と言われている人が。それ以外にも、「なぜあの人はいつも斬新な企画を出せるのだろう?」とか「なぜあの人は社外から講演や原稿執筆の声がかかるのだろう?」と思う人がいませんか?

もしそれがライバルの場合は「ヤツに教えを請うなんて冗談じゃない」と感じるかもしれませんが、ちっぽけなプライドなんかはゴミ箱に捨てて、お近づきになり、じっくり観察し、情報を引き出してみましょう。身近にいなければ、社外の著名人でも結構です。トップブランドを持つ人なら、書籍や雑誌で紹介されていたり、テレビでインタビューやドキュメンタリー番組で放映されていたりして、観察材料には事欠かないでしょう。

周囲のブランド人の思考特性や行動特性を読み取ろう

大事なのは、表面上の成果や言動などではなく、その裏側にある思考特性や行動特性を読み取ることです。「こういう時に彼らはこうしたから、自分もそうしてみよう」。もちろんこれも無駄とは言いませんが、状況も環境も全く異なるのに同じ行動をしても、同じ結果が得られるわけはありません。

「なぜそう考えたのか?」「その発言の本当の意図は何か?」「そう行動した理由は何か?」「普通の人ならこうするのに、あの人はどうしてあんなことをしたのか?」「それらの背景にあるあの人の哲学や価値観はなんだろう?」「あの人がほかの人と違う思考や行動の特徴は何だろう?」ここを解きほぐすことで、成功が成功者たる理由を学ぶことができるのです。

「たまたま優良顧客に当たったからだ」とか「たまたまテレビで紹介されたからヒットしたんだ」「所詮ラッキーだっただけだよ」などと、つまらない嫉妬心で思考をシャットアウトしてしまったら、本当に重要なものは見えてきません。どんなに偶然なラッキーに恵まれていたとしても、それが自分だったら、果たしてそこまでの成果を出せたでしょうか。

成功の裏側には数多くの迷いや苦渋の決断が隠されています。それにその背景を知ろうとすることは、何より自分自身の観察力や洞察力も高まるのです。


今すぐ行動をスタートしよう

ブランド形成には時間と努力が必要ですが、その努力の何倍ものリターンが見込めます。お金は使えばなくなりますが、ブランドは継続的にお金を生み続けてくれます(もちろんブランド価値の維持と進化は必要ですが)。

ここ数年、「これからは個人のブランドが重要」と言われていますが、実際に行動している人は極めて少数派です。新年度の始まる春、自分らしい生き方を手に入れるために、ぜひ自分ブランド作りに向けて活動を開始してはいかがでしょうか。
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