マネープラン/ゼロからはじめるマネープランの考え方

世界に1つ!“自分ブランド”で輝け(3ページ目)

自分ブランドを持つ人は、競争とは無縁の世界を作り出し、自分らしく自由に生きることが可能になります。では、そのために何をどう考え行動すればよいのでしょうか?

午堂 登紀雄

執筆者:午堂 登紀雄

ニューリッチへの道ガイド

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1、「好きなこと・得意なことをやる」

好きな分野、得意な分野をさらにとんがらせよう
まずは当たり前のことですが、好きなこと、得意なこと、賞賛されたいテーマや分野であることが重要です。好きなことなら、時間や労力が苦になりませんし、そもそも興味があるので、どんどん追求し、アイデアが出てきます。難題にぶつかっても乗り越えていこうという意欲が維持できます。それに、ブランドを創るのには時間がかかります。高級ブランドの中には数百年の歴史を積み重ねているものもありますし、多くの芸能人だって長い下積み生活を経ています。

「声に出して読みたい日本語」の著者で、数多くの著作やテレビ出演、講演にひっぱりだこの、明治大学教授である斉藤孝氏も、30代の頃は全く芽が出なかったそうです。しかし、それでも選んだ道を信じてあきらめることなく自分を磨き続けた結果、大ヒットしました。

その分野で実績を出し、情報発信し、受け入れられ、認知されるまでには、数年を要します。もちろん、チーム内や会社内という小さなコミュニティの中ならかかる時間はもっと短縮できますし、何かのきっかけで一躍有名になる場合もありますが、確固たる能力に裏打ちされていない人はすぐに化けの皮がはがれます。一発打ち上げ花火では、信頼のブランドは作れません。

成果の積み重ねが人の信頼を得て、評判が伝わり確固たるものになっていくわけですから、時間がかかります。だからこそ、好きなこと、得意なこと、楽しいと感じることでなければ続かないのです。


2、「世の中への貢献度が高いことをやる」

しかしながら、好きなことや得意なことなら何でもいいというわけではありません。好きなことだけにこだわっても、そこにニーズが存在しなければ、価値を認めお金を払ってくれる人が少ないので、努力が報われにくいでしょう。

例えば「昇進する」とか「社長になる」という目標は、ブランドを作る上では役に立ちません。なぜなら、そういう目標に共感し支援してくれる人は現れにくいからです。あなたの友人や同僚が、「俺は昇進するんだ」「社長になるんだ」と言ったとしても、「そうか、がんばってね」くらいにしか思えないのではないでしょうか。

自分だけのメリットというのは周囲の共感を得られず、そういうビジョンは、当然ながら周囲の人の協力も得られにくいので、ブランド人材として認めてもらえないのです。いくらフィギュアのコレクションが好きとか言っても、単なる自己満足に過ぎませんが、フィギュアの鑑定評価をする、希少な商品を販売する、などで他人に利益をもたらすことをできれば、ブランドがつくれます。デイトレードは儲かるかもしれませんが、他人にはメリットがありません。しかしトレード手法を教えたりすると、他者への貢献ができるので、ブランドになり得るのです。

ですから、周囲の人に具体的なメリットを提供できることで目指す、ということが全てのベースです。ブランド価値を認めてもらうには、単に何かが得意、というだけではなく、特定のターゲットに大きな利益をもたらすものであればあるほど、ブランドパワーは大きくなります。例えば「30代以上の女性に、アンチエイジングに適した料理レシピを提供できます」という風に、ある程度ターゲットを特定でき、そのターゲットの人たちに具体的な問題解決を提供できる分野ということです。

もちろん、そのターゲットのパイは広く大きい方が、社会貢献性も収益性も高くなり、より望ましいのは言うまでもありません。(もっともその分、競合も多くなりますが)

「私が目指している分野は、他人に喜んでもらえるか?」
「自分の客になると、どんなうれしいことがあるのか?」
という問いを投げかけてみてください。


3、「独自性・希少性があることをやる」

次に「独自性」と「希少性」です。自分がやりたい分野やできる分野で、独自性・希少性が高ければ文句なしです。これはすなわち、「差別化する」と同じ効果を持ちます。あなたにしかできないこと、あなたが初めて手がけることという独自性、そしてその価値を出せる人が少ない、その問題を解決できる人が少ない、という希少性です。

ダイヤモンドは稀少だから価値があると言えます。誰でもすぐに手に入る日用品はスーパーで特売の対象とされてしまうように、誰でもできることや誰でも思いつくことは高い価値を認められずディスカウントされてしまいます。

小さなことから探してみましょう。もしあなたの得意分野がパソコンで、勤務している会社にパソコンを扱える人が少ないなら、あなたには独自性と希少性があるということになります。「あなたの提供するものは、他の人とどう違うのか?」を自分に問いかけてください。そして、「あなたしかいないんです!」と言わしめるようなことを選びましょう。

しかし、独自性や希少性といってもなかなか見つかるものではありません。そこで、分野をさらに細かく分解して絞り込む、という方法があります。

例えば弁護士であれば、借金整理専門とか、株主総会対策に絞り込んでいる人がいます。例えば広告代理店にも、業界に特化した営業マンがいます。ウェブサイト制作会社やDM業者などでも、業界特化型、データベースなどのシステム構築特化型というのもあります。人材紹介会社も、シニア、第二新卒、エグゼクティブ、法曹界、医療業界などに特化している企業があります。餃子専門店の中には、メニューは焼き餃子しかない、という店もあります。FPでも、「元本保証型のオフショアファンド」に特化している人がいます。「40代の肌トラブルに効く商品は全メーカーのものを揃えています」というネット化粧品ショップがあります。こんな風に、より細かくマーケットを分解し、絞り込んでいくのです。

会社員であっても同様です。営業であれば、法人よりもリテールの開拓に絞る、リテールの中でも特に富裕層に絞る。その中でもさらに中小企業の経営者に絞る、という感じですね。

絞り込めば絞り込むほど深いノウハウや技術を短期間で蓄積しやすくなります。ジャガイモを使った料理ばかりに取り組めば、1日3品作っても1年で1000種類を超えますから、ジャガイモの特性、ゆで加減、調味料との相性などを深く知ることができます。ジャガイモ料理に絞り込むことで、短期間で料理研究家をしのぐことができます。まずは絞り込んで徹底的に磨き上げることで、普通の人でも短期間に第一人者になりましょう。
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