●Mac OS XのカラーパレットとWindowsVistaのカラーパレットの機能比較
カラーパレットについては、Mac OS Xの機能性は圧倒的である。Mac OS Xでは「テキストエディット」、WindowsVistaでは「ペイント」のカラーをダブルクリックして開くダイアログで比較。
カラーパレット | 虫眼鏡によるカラーの取得 | プロファイルの選択 | カラーの登録/検索 | Webセーフカラーの選択 |
Mac OS X | ○ | ○ | ○ | ○ |
WindowsVista | × | △※ | × | × |
※「作成した色」というエリアに一時的に登録できるが、他の環境へコピーすることはできない
Mac OS XとWindowsのカラーパレット。Mac OS Xのものはツールバーのアイコンをクリックすることで合計5種類の設定画面がある |
Mac OS Xのカラーパレットには5つもの設定画面があり、それらすべてが異なる「色」の選択方法を提供している。左から3つめの設定画面では、自分のすきなカラーセットを登録できるため、色付けする対象ごとにカラーセットを登録しておけば、すばやく目的のカラーが選択できる。
さらに左上の虫眼鏡アイコンは、画面上の至る所からカラーを取得できる優れたツールになっている。対するWindowsについては、言うまでもないだろう。
…… Mac OS XやWindowsVistaで話題になったように、パソコンのOSというのはなにかと派手なインターフェースが主役のように誤解されがちだが、本来OSが持つべき機能性は見た目の美しさなどではない。使いやすさや実際の作業においての視認性の高さ、そしてアプリケーションに対して機能性の高い部品を提供することが、OSの本来の姿といえる。
Windowsを長年使っていてPhotoshopや、ワード、エクセルなどを使いこなしている人には言うまでもないだろうが、Windowsの世界でコモンダイアログをそのまま使用している大型のアプリケーションはほぼ皆無に等しい。
逆にMac OS XではPhotoshopの環境設定にApple純正カラーパレットを使用するオプションを設けるなど、OS標準のダイアログの操作性を好むユーザーへの配慮まで存在する(下図)
少なくとも、機能性だけを見た場合、Photoshopに搭載されているカラーパレットより、Mac OS X標準のほうが高機能なのだ。こういった、マニアックな機能性こそがMac OS Xの真髄だと言えるだろう。
Windows版Photoshopも同じような設定があるが、もともとはMac OS用の設定がそのまま移植されただけにすぎない(画面はPhotoshop Elements6) |
あらゆるアプリケーションでサポートされる多彩な画像形式
コモンダイアログと同様に、OSがサポートしていることでアプリケーションの開発が楽になるのが画像形式のサポートだ。Mac OS XではPhotoshop形式を標準でサポートし、PNGはもちろん、JPEG-2000やTIFFなど、WindowsVistaのそれと比べて圧倒的に多い。標準でサポートしている画像形式はMac OS Xなら「プレビュー」、Windowsでは「ペイント」のファイル保存ダイアログで確認できる。
Mac OS Xの「プレビュー」で選択できる画像種類(左側)とWindowsVistaの「ペイント」で選択できる画像種類(右)。OS側で多彩な画像形式の読み込みをサポートしてくれていると、結果的に、なんでもないテキストエディタとPhotoshopの連携…のような作業の選択肢が増えるため、自由度が一気に上がる |