インクの色数について
写真印刷に重要なインクの色数についても、他社のプリンタの上位機種が7色~8色なのに対して、HPプリンタの最新機種では6色となっています。しかし、他社モデルの6色とは少し違う構成なのです。
(HP PSC 2355 の場合、フォトカラーはオプション)
【3色カラーとフォトカラーの構成】
(HP 134
/ HP 135)
「● マゼンダ」
「● イエロー」
(HP 138)
「● フォトマゼンダ」
「● フォトブラック」
これは、上記インク構成において、きれいモード以上の印刷時には「●ブラック」を3色カラーの「● シアン」「● マゼンダ」「● イエロー」の重ね塗りにより出力するためです。
そして「● フォトブラック」はグレー部分(薄暗いイメージ)を表現するために使われ、黒から白に変わるグラデーションなどが非常に滑らかに表現できるのです。
このように、「3色カラー + フォトカラー」のインク色構成は6色といっても「●ブラック」を除いての6色であるため、実際には他社のプリンタの7色モデルに相当する印刷ができるのです。
【「インクカートリッジ」の種類】
HP134 は HP135 の増量タイプ
HP130 は HP131 の増量タイプ
また、「ブラック」の印刷を3色で実現しているので、暗いイメージの写真データを大量に印刷してもフォトインクの黒だけが減ったりすることもありません。
(ただし、はやい(標準)モード以下でテキストなどのモノクロ印刷を多用するとフォトブラックが多く消費されるので注意)
「フォトグレー」を使った印刷
HPの上位機種(HP Photosmart 2710,2610,HP Officejet 7410,Deskjet 6840)では、「フォトグレーカートリッジ」に対応しており、フォトブラック/ダークグレー/ライトグレーの3つのインクにより、4097階調の非常にきめ細かいグレースケール表現を可能にしています。
※フォトグレーはオプションです。
(HP PSC 2355 はフォトグレーインクに非対応)
【グレイスケール印刷をフォトインクとフォトグレーで印刷した場合の比較】
この現象はモノクロ印刷に限らず、カラー印刷での暗い部分の印刷についても同様に見られます。
このことから、暗いイメージのカラー印刷時にフォトグレー + 3色カラーを使えば、フォトカラー+3色カラーの組み合わせより美しいカラー印刷も可能になる場合があります。
用途に応じたインク組み合わせ
参考までに用途に応じたインクの組み合わせを表にしてみました。
3色カラー + ブラック(黒)
3色カラー + フォトカラー
3色カラー + フォトグレー
または、暗い部分の多いカラー写真の印刷
モノクロデータを美しく印刷したい場合は、3色カラーとフォトカラーを組み合わせるか、3色カラーとフォトグレーを組み合わせて使ってください。
(※2) プリント時には、「最大 dpi」を使用し、「用紙の種類/品質」- 「デジタルフォト」の設定をすべてオフにしないと画像処理によって細かいグラフィックがつぶれてしまう場合があります。
【インクカーリッジ交換式の利点】
HPのプリンタは用途に応じてインクカートリッジを交換する方式を採用しています。この方式の利点は構造がシンプルであるため壊れにくいのと、用途に応じてインクシステムを変更できる点です。
逆に欠点はインク交換する手間があるというところでしょうか?
また、この方式では使用しないインクを印刷ヘッドに搭載しないので、印刷ヘッドが他社の7~8色モデルより軽くなり、より高速にヘッドの反復動作をさせることができるため、特にモノクロ印刷などを速くすることができます。
さらに、HPのプリンタのインクカートリッジはそれ自体にノズルが組み込まれているので、メンテナンス性も優れています。なんらかのトラブルでノズルが目詰まり(※1)してもインクカートリッジを交換するだけで新品同様の印刷結果が得られるのです。
(※1)ただし、HPのプリンタを3年近く使用していますが、普通に使用していて使えなくなるような目詰まりは、一度も経験したことがありません。
(ノズルヘッド部分)
対して、他社のものはノズル部分がプリンタに内蔵されているため、簡単には交換できません。
また、他社のインクジェットプリンタではインクを空にして印刷するとヘッドが痛む可能性があるため、若干インクを残した状態でインク交換をする必要がありますが、HPのプリンタなら、そういった心配をする必要がないため、いずれかのインクが空になっても(品質は悪くなりますが)印刷を続けられるようになっています。
さらにHP のインクシステムでは、インクカートリッジが1つあれば印刷可能になっており、インク切れで予備が無くてもいずれかのインクが1色でもあれば、印刷できるのです。