Javaプログラミング/サーバサイド&ケータイJava

Antでビルドしよう!(4ページ目)

Eclipseでは、Antを使ってプロジェクトをビルドできます。これに挑戦してみましょう。

執筆者:掌田 津耶乃

JARファイルに出力してみる


では、ビルドファイルをカスタマイズして、最初にいった「JARファイルにまとめてビルドする」という処理を行なわせてみましょう。

まず、プロジェクトの中にマニフェストファイルを用意しておきましょう。これはプロジェクトのフォルダ内に「manifest.mf」として配置します。中身は、単純にメインクラスの指定をしておくだけでよいでしょう。

Manifest-Version: 1.0
Main-Class: jp.tuyano.Sample


こんな感じですね。では、このマニフェストファイルを使い、プロジェクト内のクラスをコンパイルしてJARファイルにまとめる処理を考えてみましょう。

<?xml version="1.0"?>
<project name="SampleProj" default="default">
  <target name="default">
    <javac srcdir="." destdir="." />
    <mkdir dir="../jar" />
    <jar destfile="../jar/Sample.jar"
      basedir="." manifest="manifest.mf" />
  </target>
</project>


ここでは、プロジェクトフォルダの外に「jar」というフォルダを作成し、ここに「Sample.jar」という名前でJARファイルを作成することにしました。ビルドファイルを作成したら、実際にビルドをしてみましょう。プロジェクトのフォルダと同じ場所に「jar』フォルダが作成され、そこにJARファイルが出力されたでしょうか。作成されたら、実際にダブルクリックしてプログラムが起動するかどうかもチェックしてみましょう。クラスファイルもマニフェストファイルも正常に保管されていれば、きちんと起動するはずですよ。

簡単にビルドファイルのタグについて説明しておきましょう。

<project>

プロジェクトのタグです。といっても、Eclipseのプロジェクトとは微妙に違います。Antにおけるプロジェクトの指定です。最初にこのタグでプロジェクトを定義します。

<target>

ターゲットと呼ばれるものの定義です。プロジェクトの中には、実際に行なう処理をまとめた「ターゲット」を必要なだけ用意できます。ここでは1つのターゲットだけ用意しておきました。

<javac>

これがコンパイルを行なっているタグです。srcdirとdestdirで、それぞれソースのある場所と出力先を指定できます。

<mkdir>

これはディレクトリ(フォルダ)を作成するタグです。ここで、プロジェクトフォルダの外にフォルダを用意していたのですね。

<jar>

これがJARファイルを作成するタグです。出力するファイル名、ベースのディレクトリ、マニフェストファイルなどを指定することができます。

まだAntがよくわからないと、これらのタグの意味もわからないかも知れません。が、XMLですからなんとなく眺めているだけでも「こんなことをしているんだろうな」ということが想像できるんじゃないでしょうか。

興味が湧いたなら、Antの解説書などでちょっとだけ勉強してみるとよいでしょう。いくつかの基本的なタグを覚えるだけで、ちょっとしたビルドならできるようになります。これで、Eclipseのビルド処理を自在に操れるようになりますよ!
【編集部おすすめの購入サイト】
Amazonで Java 関連の書籍をチェック!楽天市場で Java 関連の書籍をチェック!
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※OSやアプリ、ソフトのバージョンによっては画面表示、操作方法が異なる可能性があります。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます