温泉/九州の温泉

熊本のモール泉発見、日奈久温泉 黒川温泉と日奈久、吉松温泉3(3ページ目)

黒川温泉近くの有名温泉地を廻った後に近くの未湯巡りに行った。モール系の温泉を発見し熊本では珍しかったので驚いた。特に「夕焼けの湯温泉」には感動した。宿泊地の日奈久温泉では白眉の「金波楼」に入浴した。

執筆者:郡司 勇




翌日 

1日奈久温泉  松の湯   鄙び点+5
  掛け流し

朝一番に松の湯に行った。日奈久一番の古いままの建築が残っている温泉である。宿は止めて共同湯のような営業となっていた。古い瓦屋根が風格を増した外観で一部モルタルで覆ってあるが、古い部分は古色を帯びて壮観である。半地下になった部分が浴室である。

モザイクタイルの小判型浴槽が中央にあり、使い込まれた浴槽ながら綺麗に保たれていた。屋根は大きな湯気抜きのある木造のレトロなものである。2槽に分かれていて片方に源泉を足している。弱い掛け流しである。古い造りの良い共同湯であった。

2日奈久温泉  金波楼    建築点+5
  掛け流し

昨日の夜景と、今朝に周囲を散策して、立派な外観を堪能した金波楼に入湯した。内部は磨かれた廊下や階段、手摺が素晴らしい。浴室部分のみ改修されているが廊下は漆喰の塗り込めで、照明を落とした休憩所などもあり風雅にしつらえられている。特にトイレの床の細かいモザイクタイルが良い。また日奈久の歴史を写真で紹介したギャラリーもあった。浴室は木枠の内湯と石造りの庭園露天風呂である。露天風呂は内部で加熱しているがオーバーフローをとっており、内湯は掛け流しで、床に溢れ流れていた。

この宿は現在の建築を建て替えずに守っているというだけで非常に感銘を受ける。現在では各所が修繕の時を迎えているようなタイミングなので非常に経費がかかるであろう、しかし日奈久に金波楼が無くなったときはこの個性のない湯と温泉町は終わりであろう。そういう意味でも貴重な存在である。国指定文化財にはまだ指定されていないようだ。

現在の温泉センターも以前の本湯というころの建築は別府の竹瓦を凌駕する立派な建築であった。現在は詰まらない箱のような建物であるが、以前の写真をみると信じられないほどの壮麗な御殿建築で、建て替えが残念である。
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