温泉/甲信越の温泉

富山県、高岡周辺の温泉群 信州、北陸アビルマン紀行4(2ページ目)

富山県は高岡周辺の平野部に行った。この地区は温泉、鉱泉ともに多数湧出していて温泉数の多い地域である。鄙びた風情も情緒があり温泉巡りを楽しくしている。

執筆者:郡司 勇

25国吉温泉  鄙び強烈、木造三階  湯も加湯自在で気に入る
  
銭湯のような営業ながら「とやまいい湯ガイド」にも掲載されていない秘湯。昔岩坪鉱泉という記憶があるがここと同じであるかは不明である。入口は昭和の戦後すぐか、それ以前の古い造りの木造モルタルの入口である。古さを感じる意匠が貴重なものである。脱衣室はかなりの鄙びで特に記するものはないが、全体から醸し出される雰囲気が古さを表現している。裏口の外に出てみると木の外壁が朽ち果てそうである。裏手は木造3階建てになっていた。仏像も奉ってありレトロな雰囲気は圧倒的である。2階の外壁はほとんど壊れているのでブルーシートでふさいであるというボロさ(失礼)である。湯は総計2689mgの土類重曹泉で18.6度である。薄茶色濁り、重曹エグ味+渋鉄味、無臭と記録した。重曹の感触がはっきりとわかるよい湯である。源泉のコックがあり加湯自在になっていて好感した。源泉溜め加熱式であるので源泉を新たに入れることができるので良いと思う。浴室は古いがタイル貼りのしっかりしたものでヴォールト型の天井にトップライトのあるものである。2階は宿泊室であった、階段を登ってみたが明らかに数年使われていないのであろう。埃が層をなして堆積していた。


26岩坪水路脇源泉  垂れ流し水路に入って(膝までの深さ)浴びる
  重曹味の中に、炭酸味あり、25度ほど  
地元民に温泉のことを聞いていて発見。
野湯8  

国吉温泉近くで地元の方に温泉のことを聞くと、親切な人で、いろいろと面白い話しを聞かせてくれた。立派な建築が残り、廃業が残念な頭川温泉は、おかみが強力な人だったそうで「おかみは聞かんが、お湯は効く」と近隣で言われていたそうだ。気にいらない客は返してしまうそうだった。また岩坪は温泉が出る地域で「ほかにもある」とのことで案内してもらった。井戸を掘ったらぬるい湯が出て現在は未利用のようである。水路に捨てられていた。コップに汲むと赤い析出物が底に溜まった。重炭酸土類泉であろうか?透明、重曹味+弱い炭酸味、無臭と記録した。国吉温泉と同系の湯であろう。しかし驚いたのは新鮮なので弱いが炭酸味を感知できたことである。重炭酸泉には炭酸が100mg前後含有されていることが多くそんなものかなあ?と推測した。水路は田植えの時期で水量が多いが膝下の深さで、ざばざばと水路に入って上から落ちる源泉を浴びた。新大鰐温泉の垂れ流しと同じ格好である。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます