8長寿温泉 (再訪)
改修後も良い
長寿温泉は改修されていた。以前の記憶は少ないが木曾岬温泉のようないくつかの浴槽がある大きな空間の内湯と渓流沿いの仮設風の露天風呂があった覚えがある。やや褐色の重炭酸土類泉かと思っていたが色付きの硫酸塩泉で毛馬内温泉の同系であった。今回は瀟洒な和風の日帰り温泉施設となっていた。湯が色付きの食塩芒硝泉で良い。緑色濁り、渋薬味多し、金気臭であった。内湯はオ-バーフローを多く取り好感するが露天風呂は更に良く掛け流しで十和田石の床に湯の溢れて流れるのが見えて雰囲気上々である。緑色の湯で浴槽が褐色に染まっている。床の湯が流れる部分も新築ながらすでに褐色に染まり将来もっと風格が出るであろう。分析表によると湧出量は43.9度で毎分ほんの63リットルである。しかしこんな良い使い方が出来るのである。温泉はほんとうに使い方が全てであると思った。
9湯の岱温泉(再訪)
長寿温泉のすぐ近くの湯ノ岱温泉は、過去に夜通しバイクで走りつき、この前で力尽きてテント泊した記憶のみ強烈で湯の記憶がほとんどなかった、しかし長寿温泉は良かった記憶なのでやはりこちらの方が個性がないのであろうと推測していた。その通りで36.6度のNaCa-SO4泉で総計1400ほどのものであった。しかしその濃さに相応の表現をしており
薄緑色、少渋味、特有の薬臭ありというものであった。長寿温泉のやや薄いものと思った。楕円形の浴槽1つのみの共同湯で循環加熱しながら弱くオーバーフローと観察した。
10さざなみ温泉
強い食塩泉 緑色 掛け流し熱い湯
この温泉は知らなかった。最近出来たようであるがこのような濃厚な温泉が湧出するとは日本海側の強力な泉脈を感じさせた。ここは鷹ノ巣町の隣の合川町でかなり内陸に入っているが駒形や森岳などと同系の強食塩泉が自噴した。自噴では48.3度200から300リットル 動力だと53度で800から900リットルと記入されていることとNaCl強食塩泉ということだけしか判明しない。飲泉によるとカルシウムの苦味も合わさって強く感じるのか?総計は30から40グラムほどに感じる。民家風の集会所のような外観の施設に小さな内湯が2つ並び熱い湯のまま掛け流しされている。熱いし、かつ沁みるような強力な浴感である。熱いので長湯は強力に暖まりノックアウトの湯と命名したい。色もはっきりとした緑褐色で湯口は臭素臭が良い匂いである。存在感のある湯で記憶に強く残った。
11下前田温泉 寿荘
分析表よりずっと濃く感じる
阿仁前田駅の温泉はクウィンズ森吉という温泉には以前入浴したが別源泉の寿荘には初入浴である。鄙びた老人福祉センターであるが一般にも開放し温泉入浴施設となっている。緑色に濁った湯は食塩泉であるが、まず一口飲泉してみてその塩辛さに驚いた。これは20グラム以上はあるなあと思い、帰りに分析表を見ると総計8777mgの等調性の湯であった。これが一番の驚きであった。分析表の内容はNaが1930(57.4%)でCaが1120(37.6%)ということだClも4290 SO4 1197の44.5度である。扇型の浴槽に湯が掛け流されているがこれが源泉直接なのか間欠的で面白い。タイルの床は醤油で煮しめたように褐色に染まっている。薄茶色濁り、塩辛い+弱たまご味、無臭と記録した。写真にするとなかなか風格のある浴室と浴槽で緑の湯が床に掛け流され良い写真となった。
12強首温泉 樅峰苑(再訪)
やや離れた強首温泉と同じ湯、臭素臭が良い
樅峰苑は豪快な建築である。1階当たりの階高が高く、2階建てながら4階ほどの迫力がある。屋根の小屋組みが巨大で大きな入母屋や千鳥破風は迫力がある。以前は温泉がなく訪問したときは温泉が引かれたばかりであった。その後秘湯を守る会にも入り温泉宿として有名になった。すこし離れた強首温泉の源泉を引いて入れている。総計10グラムほどの食塩泉でアンモニアが28.8mg含有されている。臭素は19.9mgであるがこれらの匂いが混在し強めの臭素臭といった匂いが湯口より漂い、湯の存在感を高めている。薄褐色濁り、塩甘味、臭素臭多しと記入した。弱く掛け流しで利用され好感した。温泉も良いがこの建築が素晴らしい。空間を贅沢に使い客室は少なく入り口の長い廊下が圧倒的であった。階段が良く造り込まれた洋風の手摺と船底天井で豪華である。2階の客室を見学させて頂いたが創建当時のまま利用されており、宿泊できるというのは貴重である。文化財指定になったとのことで納得である。
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