北海道の道東に行った。弟子屈周辺のモール泉と知床のセセキ温泉や尾岱沼などを
廻った。この方面は北海道在住のときから良く行っているが、そのたびに面白い温泉巡りができる良い地域である。
1 湿原温泉 鶴の家 (再訪)
下に比べ塩濃い 泡付き 弱いつるつる モール臭多し
釧路湿原の真っ只中、鶴居村の温泉。小さな民宿に独自源泉の良い湯が豊富に湧出している。以前良い印象なので再訪してみるが、変ることなく存在していた。モール系の食塩泉で44度。ステンレスの浴槽に掛け流しで利用されている。以前は3浴槽あったが今回は内湯に2つ露天風呂に1つ使われていた。総計5461mgあるので、しっかりとした塩苦味の中にはっきりと鉱物味と弱いたまご味が感じられる。色は薄い褐色なので黄金色と形容できる。匂いがこの温泉の最大の良さである。モール臭の典型的な匂いで強くなく弱くなく充分に放散されている。身体にも弱い気泡の付着があり掛け流しの新鮮な湯は良いなあ、、と思う。北海道1発目の温泉で「温泉とは良いものだなあ」と気分が早くも盛上がった。
2 湿原温泉 ノーザンビレジホテルTAITO
つるつるもっとも強し 褐色強し(紅茶色)、匂い良い(芳香)良い湯ノックアウト 少々泡付き
釧路空港から鶴の家に至る道々の側溝から温泉の湯気がかなりの距離、立ち昇っている。手前のホテルTAITOの廃湯である。湯量豊富なのであろう。さて鶴の家で同浴した人の話だと違った個性を持っている別源泉であるとのことで行って見た。アルカリ性の重曹泉で塩分は少ない。しかしその分CO3の効果が増して「つるつる強し」になっている。分析表はなかったが総計2000ほどであろう。ここは色がたいそう美しく、匂いが芳香で良い。紅茶色透明、少苦味、鉱物(モール)臭多し、と記録した。「マル秘湯」の斜里温泉湯元館のような美しい写真が出来あがった。源泉の温度も不明であるが露天風呂、内湯ともに湯口から弱く掛け流しされている源泉は高温である。ここも少々泡付きが見られた。奇麗な新築ホテルでさらに湯は絶品であった。つるつるの感触、色、匂いの三点が非凡でたいへん良い評価をしたい。村営のもう一つの施設も次回の楽しみとしたい。
3オーロラファーム温泉
秘湯、つるつるやや強し、露天風呂風情良し、少々モール臭
牧歌的な緑の丘陵が永遠に続くのではないかと思われる景色は道東の典型的風景である。そんな国道のひとつの分岐からオフロードを2キロほど行く秘湯。かまぼこ型の母屋のほかに100メートルほど離れたところに湯小屋と露天風呂が建っている。小さな内湯は岩風呂で2.3人で一杯になってしまう小さなもの、露天風呂は木をログハウス状に積み重ねた浴槽が良い雰囲気である。ともに仮設風の良さを持っている。47.1度のアルカリ性単純泉で総計373mgの湯であるが存在感は大きい。CO3が60.9mg(63.6%)で主成分になっており、「つるつるやや強し」の感触と新鮮なための少泡付きがある。色はモールの薄い褐色であった。匂いはモール臭が仄かであるが感じられる、清澄な湯通りのものである。施設としての面白さと、湯のレベルの高さで記憶に残る良い温泉であった。
4 G温泉
泡付き最高、黒さ強し、泡で白濁、匂い多し 最強のモール SUS仮設浴槽 弱いつるつる
国道脇にある仮設温泉施設。ステンレスの浴槽に湯が入れられ放しになっている。2×3mほどの浴槽であるが湯の表面は泡で覆われており黒い湯面は半分ほどしか見えない。微細な気泡が絶えず立ち昇っているので湯の本来の色は濃い黒色であるが、茶白濁のように見える。匂いは強烈で、温度のあるモール泉でここまでの存在感のある湯を見たのは初めてであった。強いていえば味幸園の湯をさらに濃厚にした感じである。入浴して良く観察してみると濃褐色(20センチ、コーラとほぼ同色)苦味あり、良い鉱物臭強し、激しい泡付きによる弱いつるつるあり。と記録した。東京や京浜地帯の黒湯も濃厚なものがあるがそれが高温で湧出し匂いも芳香で味覚も同時に感知できる素晴らしいものであった。しかし少し離れて匂いを観察すると堆肥臭も混じっているのが判明した。
5茅沼温泉 くしろ湿原パークかや沼(再訪)
食塩泉 14年前訪問したときの硫黄臭は無くなっていた
北海道でも初期に入浴した温泉で以前の記録では硫黄臭があると記録されているが、推測ではこれはモール臭であると思われる。今回匂いはほとんどなく清澄な弱食塩泉であった。温泉も経年変化があるのであろう。46度の食塩泉で100%掛け流しとのことであるが個性は少なく透明、塩味、無臭であった。