■一般化された「アウトドアウェア」■ |
最近思うこと。本当に心地良いアウトドアウェアを探すことが困難になった。
それはなぜか?
フィールド専用ギアとして開発されてきたアウトドア用ウェアが街着として定着したからだ。どんなアイテムも一般化されれば、本来の意味が薄まってしまう。アウトドア用ウェアは「アウトドア専用」ではなくなり、カジュアル店でも普通に見られるほどに一般化した。
現在、いわゆる「アウトドアウェア」は大変ファッショナブルになり、彩りも美しいものが多くなった。
しかし、何か物足りない。「欲しい」と心から思えるほどの魅力がない。
そう感じている方もいるのではないだろうか?
それはきっと、それらのウェアに「機能性の追求」が感じられないからだ。
過酷なフィールドに耐えうる機能がなければ、存在すら許されなかったアウトドアウェアは、機能性の向上を追及するがゆえに、よりシンプルな構造を形成していった。その「シンプルさ」や「機能性」が万人に認められて一般的なウェアに進化していったのだ。
しかしあまりにも一般化された今、本来の目的をなくしてしまったニセ「アウトドアウェア」が大変多い。ファッション性を追求して機能性の向上を置き去りにしているから魅力も色あせてしまうのは当然だ。
「アウトドアウェア」に感じる魅力は、やはり本来の目的に忠実な「機能性」なのだと私は思う。
機能性を限りなく追求して実体化したそのカタチが、本当に美しく、カッコよく感じさせるのだ。
しかし、だからといって万人が過酷な雪山などに長期遠征をするわけでもないので機能性の塊のような重厚なウェアは必要ない。
私が注目するのは、フィールドで性能を発揮できることはもちろん、街でも気軽に着ることのできる使い勝手の良いアイテムだ。