誰もが見過ごす風景の中を探偵する
旧軽井沢・三笠通り。一段高くなっている右側の車線にかつて草軽電鉄が走っていた |
名所旧跡や展望台、テーマパークなど、ドライブスポットはいくらでもあるけれど、情報があふれかえっている今、ちょっとくらいマイナーな場所だって実は結構知られているもの。それこそカーナビにだって登録されてる。「誰も知らない穴場」なんて存在しないのだ。
じゃ、ドライブで新鮮な発見気分はもう味わえないのかっていうと、そうじゃない。要は、「人と違った楽しみ」を見つけること。少し前に紹介した「林道で遊ぼう」もその一つだけど、今回は廃線めぐりなんてのを紹介しよう。
廃線なんて聞くと、それだけで「そんなのつまんない」という声が聞こえてきそうで気が引けるけど、まあそれはそれでオッケー。面白がれる人だけ読んでください。
場所によっては駅舎まで残っていることもある。長野電鉄木島線木島駅 |
なんで廃線めぐりが楽しいかっていうと、数少ない情報を材料に、あとは現場を見た自分の目で発見するしかないから。中には意識して保存している場所もあるけれど、多くの場合廃線跡はただ草むらに埋もれていたり、自転車道や生活道路になっていたりして、ほとんどの場合観光的に案内されていることはない。誰もが通り過ぎる風景の中から、過去の姿を想像して、その名残を見つけるわけ。ちょっとした探偵気分が味わえるのだ。また、積極的に地元の人とコミュニケーションを取って楽しめるのもいい。これが廃屋とか廃墟ネタまでいくと、あまりにディープ過ぎたり危なかったりして、トラブルになっていることも多いからね。
真っ直ぐに伸びる道として残る廃線跡。日本最長の軽便鉄道、静岡鉄道駿遠線 |
本格的に廃線跡を訪ねている人に言わせれば、一番いいのは冬。夏は草むらが茂って見つけにくいからだけど、ヤブの中まで入って探検しなくてもいい。国道沿いの集落の道に入って、駅のあとが広場になっているのを見つけたり、農道となった廃線跡をクルマで走ったり。いつもは目的地まで急ぐだけの道沿いに、意外な「遺跡」が見つかるわけ。廃線だけを目的に出かけるほど気合い入れなくたっていい。たとえば、どこかにドライブに行く予定があるなら、その途中の廃線情報をチェックしてみよう。ちょっとしたオプショナルツアーが味わえるかも。