木彫工芸の里として有名な苗栗縣の「三義」。多くの職人がここに住み、作品を作り出している。かつての職人らは、神仏をはじめ、動物、花鳥、静物、昆虫など身の回りの題材を彫刻してきた。最近では、芸術作品も多く作られており、高い芸術性がだんだんと人気になっている。
そこで、今回は三義を簡単に紹介。台北から少し足をのばして、木彫工芸の里へ行ってみよう。渋好みにはたまらない彫刻工芸品が見られるし購入もできる。
三義の説明
周辺を山が囲む、標高400mほどの自然豊かな里、三義 |
三義へのアクセスは以下の通り。台鉄の苗栗駅から新竹客運バスで三義まで行くのが旅行者の利用できるものとして便利。片道約1時間で運賃は大人53元~78元(路線によって異なる)。または、鉄道を使って直接三義駅へ行く方法もある。自家用車やタクシーで高速道路利用なら、三義交流道の三義ICで下りたら台13号線に出ればよい。(情報は、2005年11月現在)
⇒新竹客運バス 苗栗駅~三義(苗后線)の時刻表(中国語のみ) 三義站下車(住所:中正路61号)
⇒新竹客運バス 苗栗駅~三義(新鶏隆線)の時刻表(中国語のみ) 三義站下車(住所:中正路61号)
⇒台鉄(鉄道)で、三義駅下車(台北からの所要時間は約2時間半。2005年11月現在、復興号101号、109号、ろ光号23号、37号、31号で、台北から三義へアクセス可能)
●台鉄の時刻表はこちら(中国語、英語)。 三義駅から木彫博物館まで徒歩約20分。
三義での移動は、徒歩、タクシー利用のほか、レンタサイクル、土日祝日のみの観光巡回バスもある。
⇒「建光機車/捷安特自行車行」(台鉄の三義駅から中正路を南へ800mほど進むとガソリンスタンドがある。そのそば) レンタサイクル料金:250元(1日)/150元(1時間)
⇒観光巡回バス(土日祝日のみ運行:渋滞が予想されるので、かなり待つ覚悟も必要):9:30~18:00。10分間隔で運行。バスに乗車後、当日限り有効の記念乗車券(60元)を購入すれば当日に限り乗降自由。巡路は、台鉄の三義駅→新竹客運バスの三義站(火炎山森林生態教育館)→苗栗木彫博物館→千岱博物館(水美彫刻街)→僑成國小(小学校)→勝興駅(廃止線の駅)→龍騰断橋→中山橋→西湖渡假村→水美街→千岱博物館(水美彫刻街)→新竹客運バスの三義站(火炎山森林生態教育館)→台鉄の三義駅。
*注意事項:悪天候や台湾全土の選挙投票日などは運休。
⇒三義の観光マップ(三義郷公所提供)
木彫のはじまり
ブタの小さな木彫。気軽に買える値段だ |
昔、この一帯には原始林があった。なかでもクスノキが多かったこともあり、樟脳を作ることが盛んであった。日本統治時代になると、樟脳油や建材としてさかんに加工され、三義産の樟脳は世界一の生産量ともいわれたほど。しかし、徐々にこうした産業はすたれていったのだ。
とはいえ、三義の人々は、楠の切り株に思いがけないアートがあることを見つける。切り株にシロアリが巣食って、天然のアートが出来上がっていたのだ。クスノキ特有の芳香も活かし、自然界が作り出したアートをさらに磨き上げて、家具や置物を作るようになっていった。この時はまだ市場に出回っていたわけではなく、地元や近隣の人々が個人的に収集して愛でていただけだった。が、きちんと彫刻技術を学んだりして、商業ベースにのるようになった。有名な台湾人彫刻作家の朱銘氏もここで修行した一人だそうだ。現在は、多くの木彫作家がこの地に移り住んで芸術活動を続けている。また、作家の作品を扱う専門業者や問屋も多く集まっている。
三義 木彫博物館
木彫博物館の入り口 |
<三義 木彫博物館>
住所:苗栗縣三義郷廣盛村廣聲新城88号
料金60元/9:00~17:00
<その他の私設博物館>
千岱博物館
参観のほか、木彫体験(要予約)などが可能。
住所:苗栗縣三義郷勝興村26隣水美336号(TEL:886-37-873428)
開館時間:月~金曜9:00~12:00/14:00~17:00
土日:9:00~17:00
⇒木彫工芸品を買うなら(博物館以外の三義のみどころ)、次のページへ
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