吃豆腐、到深坑(豆腐を食べるなら、深坑へ行こう)

深坑--台北から車で小一時間、台北の東南に位置する台北縣深坑郷は台北縣の中で一番ちいさな町。日本統治時代には茶葉を栽培して経済発展を遂げた町であったが、第二次大戦後はその盛況さも徐々にしぼんでいった。とはいえ、”豆腐”のおかげでこの小さな町の名前が再び台湾内に知れ渡った。

深坑といえば”豆腐”で有名な町。なぜに深坑が豆腐で名を馳せたかといえば、その理由は大きく分けて2つ。1つ目の理由は、40年ほど前、深坑に住む王兄弟が従来の豆腐の製造方法を改良したのがきっかけで、”深坑の豆腐はおいしい”と評判になる。その製造方法とは、これまで使っていた石膏(硫酸カルシウムまたはすまし粉)を一切加えず、その代わりにがり(塩化マグネシウム)を使用したものだった。また、深坑の水質も鉄分を多く含まないから豆腐の製造に用いるとコクのある味わい深い豆腐ができるそうだ。2つ目の理由は、豆腐の料理方法がどこよりもバラエティに富んでいること。たとえば、麻辣臭豆腐はじめ、紅焼豆腐、豆腐羮、豆腐巻、酥炸(揚げ)豆腐などなど。そして最近は、黒豆から作った豆腐(黒豆腐)を使った料理が人気になっている。

さて、深坑のどの辺でこういった豆腐料理を食べられるのか。深坑老街へ行けば大丈夫。老街とは、古い建物が連なる通りのこと。観光名所と化した200mほどの深坑老街沿いには、豆腐料理の店が点在している。老街の入り口は、町のシンボル的存在の”2本の大樹”があるからすぐにわかる。この大樹の脇が老街のスタート地点。さっそく目に入るのが老舗の「大樹下豆腐店」。これを通り過ぎて老街を歩けば、古い建物を改築して店舗にした豆腐店の店員たちが観光客を呼び込んでいる。

今回入って食べたのは「査某人的味」という店。軒先では、辛いスープの中で臭豆腐を煮込んでいる(これが麻辣臭豆腐)。臭豆腐とは、豆腐を発酵させてから塩漬けにしたもの。独特な臭みがあるものの、その臭みはクセになるようだ(私はあまり好きではない…)。店内は、レトロ台湾のインテリアで骨董家具やポスターなどが置かれている。豆腐料理をあれこれ注文して食べてみよう。

まずは、黒豆腐(黒豆から作った豆腐)の冷や奴。豆腐はほんのりと黒豆の香りがするかなあ、という具合。だって、豆腐の上には削り節と肉鬆(肉のでんぶ)がタップリとかかっているから豆腐の味ははっきりとわからないのが残念だ。豆腐の色はうっすらと黒みがかっている。豆腐はのど越しはつるっと気持ちいいが、肉鬆が口の中でもそもそするし甘いし。醤油もかかっているからしょっぱいし。いろんな味がする。これが深坑の冷や奴なのだ。

次は店先から麻辣臭豆腐を持ってきてもらう。こちらは、どこで食べても同じ臭豆腐の味。辛いスープだから、発酵した臭いはさほど気にならない。

右の画像も深坑の名物料理で、桂竹筍のスープ煮。豆腐料理と一緒に注文するのが台湾流なのだ。鶏ガラで塩味ベースのスープに、こりっとした歯ごたえのあるケイチク筍がどかっと入っている。味の濃い豆腐料理を食べる時にはやっぱり欠かせないのがよくわかる。口の中がさっぱりするから。

手前は紅焼の豆腐と肉炒め。紅焼とは、砂糖を油で炒めて黄色くしてから醤油を加えてから煮る料理方法。色味は赤茶色っぽくなる。味は少し甘くてしょっぱい。豆腐入りのすき焼き風で、味はけっこうしっかりしているが、豆腐と一緒に食べれば味がマイルドになって美味。

 

これは芋頭(紫の芋)の湯葉包み揚げ。甘いからデザート感覚で食べられる。

他に、酥炸豆腐と豆腐羮を食べた。酥炸豆腐は、揚げ豆腐のことで、甘辛のタレを付けて食べる。まわりがさっくりとしていて、噛むと中の豆腐がぷるるると口に出てきてその食感が気持ちいい。豆腐羮は、豆腐をとろみをつけて煮た羮(あつもの)で、寒い日は身体が温まるからほっとする料理だ。とろみのついたスープの中に、豆腐と野菜が入っていて、淡い色合いの羮だった。

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