インターネットで"爵位"が買える?!
売り出されている「爵位」についてのウンチクを説明したページ。見るからに怪しさ満点ですが、このテの詐欺は多いとか。気をつけて! |
サービス業の人ならば、貴族に対する呼称である「Lord」(男性)や「Lady」(女性)を名乗る人に対しては、反射的にVIP待遇してしまうもの。レストランで上席に通されたり、フライトやホテルのアップグレードを受けられたりと、日常生活レベルでは、さまざまな特権を享受できるようです。
そ・こ・で。探してみたら、やっぱりありました、「"爵位"のオンライン販売サイト」! 昨日までMr. John Smithだった人が、ほんのわずかな手数料だけで、堂々と「 Lord John Smith」を名乗れるんです。私だって、その気になれば、「Lady Maya Yoshida」になれてしまう……まぁなんて素敵!?
この手のウェブサイトはいくつかありますが、そのお値段は195ポンド(約4万円)から、高いものになると100万ポンド(約2億2000万円)のものまでイロイロ。本来、爵位とは売買できないもののハズ。なのに、何でオンラインで買えちゃうの?
そのカラクリとは……こういったウェブサイトが売っているのは本物の爵位ではなく、"爵位のように見える肩書き"だからなのです。
爵位のようで爵位じゃない? それでも合法なのは?
これらのサイトで"爵位"を購入すると、クレジットカードや運転免許、パスポートまで、肩書き付きで書き換えることが可能になります。イギリスの法律では、「詐欺などの犯罪目的でなければ、自分の名前をどのように呼ばれるかは、本人が決める権利がある」ということになっています。ですから、貴族でも何でもない人が「Lord」や「Lady」を名乗ることは違法ではないんだそうです。
これを実現するためには、不動産譲渡証書を"肩書き"つきで作成する手続きが必要になります。言い換えれば、"爵位"販売サイトが売っているのは、この手続きの請負サービスなのでした。
違法ではないとはいえ、限りなく怪しげなこれらのサイト。上記の説明がキッチリ書かれているサイトはまだ良心的ですが、そのような解説をほとんどつけずに、いかにも本物の爵位が売られているかのように見せかける詐欺まがいのサイトもたくさん。特に、「貴族」「伝統」という響きにあこがれるアメリカ人のお金持ちがコロリと騙されてしまうようで、在米のイギリス大使館は注意を呼びかけています。
>>ここまでして「爵位」は要らないけれど、立ち居振る舞いは貴族っぽくしたいかも?というアナタのために。次のページでは「正しい浮気の方法」まで教えてくれる、通称『貴族の教科書』と、イマドキ貴族の恋愛ルールを紹介します!