ロンドンから西へ約 1 時間のテムズ河のほとりに、イギリス王室の居城として知られるウィンザー城があります。バッキンガム宮殿が女王陛下が平日、公務を行うオフィスであるとすれば、ウィンザー城は、女王陛下が週末を過ごされる「家」。今回は、居城としては世界で最も古く最大規模といわれるウィンザー城を参観してみましょう。

女王陛下の「家」

ラウンドタワー
ウィンザー城の象徴的部分のラウンドタワー。写真をクリックすると、ウィンザー城の公式サイトにアクセスできます。
ウィンザー城の歴史は、1089 年にウイリアム征服王がこの地に要塞を築いたことから始まります。その後、治世が変わるごとに、他の王たちも増改築を続けて城を発展させてきたため、オリジナルの中世の様式から、チューダー式、ゴシック様式と、異なる様式が混在する城となっています。バッキンガム宮殿が 18 世紀末~ 19 世紀の様式と比較的新しいのに対し、ウィンザー城はイギリスの歴史が凝縮された城で、史跡として魅力ある場所です。

ウィンザー城は、女王陛下の居城というだけでなく、国賓のおもてなしにも使用されます。最近で有名なのが、2004 年の秋に、フランスのシラク大統領がウィンザー城に招かれた際のこと。BBC 放送でそのときの準備風景などが放送されていましたが、私がびっくりしたのは、女王陛下が各部屋を回りながら、テーブルの設置など、一つ一つ確認し、承認して歩く姿でした。こういうところが「プロの女王」と呼ばれる所以なのだと思います。

また、ウィンザー城で私が興味深いと思うのは、その多目的性にあります。というのも、このお城は要塞であり宮殿、そしてさきほどお話したように、居城であると同時に国賓をおもてなしする迎賓館および国賓の宿泊施設でもあるのです。そしてチャペルもありますので、結婚式、お葬式も行われますし、礼拝所、霊廟…などなど、すべて揃っているのです。ちょっと不謹慎な言い方かもしれませんが、機能面からすれば、ウィンザー城はまさに「揺りかごから墓場まで」すべて揃った空間なのです。

さて、ウィンザー城の見所をウィンザー城のガイドさんに教えてもらった順序で、ざっとご紹介すると、ウィンザー城でもっとも古い部分と言われるラウンドタワー (写真右上)、精巧な人形の家が展示されているクイーンメアリーのドールハウス (ミニチュアのトイレは流すこともできるそうです!やれやれ)、王室に伝わる美術品や、国賓が招かれる場所を観ることができるステート・アパートメンツ、そして、ヘンリー 8 世他、歴代の王が眠るセント・ジョージズ・チャペルなどがあります。どこも、「ここも入れるの?」と思うくらい公開しています。

バッキンガム宮殿よりも身近で見られる衛兵交代

ウィンザー城の衛兵交代は至近距離!
号令に耳が痛くなるほどの距離で観ることができる衛兵交代。
ウィンザー城の衛兵交代は、バッキンガム宮殿ほどには知られていませんが、実は迫力で言うと、ウィンザー城のほうがずっとお勧めです。なにしろ、その距離感が全然違います。ガイドの方にこの辺りに立ってるとよく見えますよといわれたのは、低い柵のすぐそばでしたが、その号令のすごさに、長時間立っていることはできないほどでした。

英皇太子の挙式で有名になったギルドホール

ギルドホール
再婚式のメッカになることができるか?ギルドホールの詳細は写真をクリックしてください。
ウィンザー城から 1 分程度のところに、チャールズ英皇太子がカミラさんとの結婚式を挙げたことで一躍有名になったギルドホール (市庁舎) があります。結婚式には、皇太子の長男ウィリアム王子をはじめとする王室メンバーやカミラさんの子供ら約 30 が参列しましたが、このギルドホールでの挙式にご不満であったという女王ご夫妻は不参加だったため、さらに話題になりました。

このギルドホール、王室のレベルからすると「地味」なのかもしれませんが、実は 17 世紀後半にイギリスの有名な建築家クリストファー・レンが完成した歴史的建築で、ウィンザーの見所の一つです。ちなみに、毎週月曜日は無料で見学できます。また、一般の結婚式にも使用できます (レンタル料金 5 万円程度) ので、ロイヤル気分で再婚式を、とお考えのかたはいかがでしょうか。

ウィンザーは、半日もあれば十分、観て回れますが、城を中心に発達したウィンザーの街は、独特の落ち着いた雰囲気が漂っているので、時間があれば散策してみるのも楽しいと思います。また、世界的に有名なパブリック・スクールのイートン校も徒歩で行ける距離にありますので、ぜひ足を運んでいただきたいと思います。イートン校とイートン周辺については、次回ご紹介します。それでは、また次回!

【関連リンク】
チャールズ皇太子は国王無理? : 「よくわかる政治」のガイド、辻先生による、イギリス王室に関するとても興味深い記事です。
「イングランド」ってどこ? : 同じく辻先生の記事です。長年イギリスに住んでいる平良はいまさらながら、「そうだったんだー!」と叫んでしましました。

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