チャイナテイストと香港テイストの違いを聞かれたら、あなたは答えることができますか?中国の特別行政区に属する香港ですが、広東語を話すこと、歴史が約160年ほどしかないこと、多国籍の人たちが混在することなど、この都市を形成する要素はとても独特です。それによって、香港で生まれるデザインは、大陸のそれとは少し異なるのです。

では、その差はどういったものなのでしょうか? その違いを学んだうえで、香港デザインを満喫してみましょう。

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  • 香港デザインといえばこの人! 世界を魅了するアラン・チャンのデザイン……P.1

  • アラン・チャンも注目の新進気鋭のデザイナー、ウィニー・ルイ
    ……P.2

  • 香港では相当メジャーな香港デザイン雑貨「G.O.D.」……P.3

香港デザインといえばこの人! 
世界を魅了するアラン・チャンのデザイン

アラン・チャン・デザイン事務所アラン・チャン・クリエーションズを展開し、世界に名を馳せる香港人デザイナー、アラン・チャンは、時計やステーショナリーなど雑貨をはじめ、Tシャツ、チャイナ服、さらには本の装丁やレストランの内装まで、幅広くデザインする手腕の持ち主。過去に、「Marunouchi Cafe」のロゴや店舗のデザインや三井住友銀行為のロゴ、キリン・ビヴァレッジから発売されたお茶「Mr.Chan」のパッケージデザインを手がけたことで日本人にもなじみがあります。

アラン・チャン
少年のように好奇心に満ちた目で次々とデザインを生み出すアラン・チャン氏
さて、このアラン・チャン氏、デザインは独学だというから驚き。しかし、だからこそなのか、彼のデザインには香港人としてのアイデンティティを感じます。いまや香港デザインをリードする巨匠となったチャン氏に、「香港デザイン」たるものを伺ってみました。

-「香港デザイン」はどういったものでしょうか?デザインをするうえで意識していることは?
アラン・チャン(以下ア):香港人の私にとってデザインコンセプトは「東洋と西洋の融合する香港」。コスモポリタンな都市だから、至るところでさまざまな国籍の人に出会うことができるのが香港の大きな特徴。そんな環境から、土台は中国なのに生活スタイルはどちらかというと欧米スタイルに近くてね。でも、こんな独特な土地に居ながらも案外香港人は「香港」という土地に「香港人」として生きていることを意識していないんだよ。そういった香港人さえ意識していない「香港らしさ」を引き出すのが、私の原点であり課題だと考えるんだ。

カードケース
毛書体の文字が刻まれたシルバーの名刺入れは、まさに東洋と西洋が融合するデザイン(HK$186、2,548円相当)
-「香港らしさ」をどう表現していますか?
ア:素材であれ、色使いであれ、何かしら東洋と西洋の要素を掛け合わせているよ。例えば、チャイナドレスを着ているアジアの女性をモチーフにするときは、その女性にファーを纏わせたり、ステンレスのアイテムには漢字や干支を書いたりという具合にね。

ペア・ウォッチ
贈り物に人気の腕時計。文字盤に数字は見当たらず、竹林のような細い線でデザインされている(1本HK$380、5,206円相当)

-氏はどういうところからインスピレーションを受けますか?
ア:実は私は無類のコレクターでね、昔ながらの銀製品やタバコのおまけのカードまで、HK$50万(約685万円)くらいまでのものなら買ってしまうんだ。そうやって集めた昔ながらの香港製品が、デザインのモチーフになったりするんだよ。


上海灘
ショーウインドー越しのチャイナドレスが目を引くセントラルの上海灘
香港デザインの特徴が見えてきましたね。彼の作品の数々は、彼が中環に開くお店「上海灘」で購入できます。店の中には雑貨からチャイナドレスまでバリエーション豊かな商品が並んでいてわくわくします。ぜひ立ち寄ってみてくださいね!

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上海灘(シャンハイタン)
  • 所在地:Pedder Building, 12 Pedder St, Central, Hong Kong

  • TEL:2525-7333
  • 最寄駅:上環(ションワン)駅から徒歩約1分

次のページでは、アラン・チャンが注目する新進気鋭の香港人デザイナーに迫ります。

※HK$=13.7円(2008年9月29日現在)