少年ナラ役の子のアボリジニ一族が撮影中ついて周っていたって、本当?
ナラ役のアボリジニの少年は、オーディションによって選ばれました。この役を射止めたブランドン・ウォルターは、目の輝きと天性の才能に目を付けたバズ・ラーマン監督が発掘したアボリジニの若き星。
一族に映画出演の了承を得るため、ラーマン監督らは彼が暮らす西オーストラリアのブルームへ赴き、彼らの伝統や文化を尊重しているということを身をもって示すためにも、彼の家族と一緒に80マイル・ビーチで野宿して過ごしたそうです。
そんな大切な一族の宝=子供とラーマン監督の成功を見守るため、彼の一族は撮影中ずっとついて周っていたとか(笑)。キビキビと働くスタッフらとともに、のんびりとした雰囲気を漂わせたアボリジニの人達がぞろぞろと歩く姿がなんともユニークだった!と、ロケ地となった地元の人たちは話していたそうです。
キャストもスタッフもすべて「オーストラリア」で構成されているって、本当?
メインの2大ハリウッド・スター「ニコール・キッドマン」「ヒュー・ジャックマン」はもちろんのこと、脇を固める配役陣もすべてオーストラリア人。製作スタッフもオーストラリア人メインという、まさに映画のタイトル通り「オーストラリア」だらけの映画!
悪役(?)として登場し、ストーリー上の重要な鍵を握るニール・フレッチャー役を演じたデイビッド・ウェナム(ロード・オブ・ザ・リングのファラミア役他)、悪徳カーニー・キャトル・ステーションのオーナー役ブライアン・ブラウン(トム・クルーズ主演カクテルのダグラス役他)、飲んだくれのギプリング・フリン役のジャック・トンプソン(スター・ウォーズ エピソード2や戦場のメリークリスマス等にも出演)はじめ、すべてオーストラリア人俳優で構成されています。
また、脚本はシドニー出身で、近年ではパイレーツ・オブ・カリビアンが大ヒットしたスチュアート・ビーティーがメイン参加しています。
あ、もちろん映画に登場する牛も馬もオーストラリア産(笑)。オージー魂を映画ともに感じとってください!
学校では習わなかった気がするんだけど…、日本がオーストラリアを攻撃したのって、本当?
第二次世界大戦時、日本とオーストラリアは敵国同士でした。アメリカ、イギリス軍主体の連合国側として、オーストラリアも参戦。オーストラリアに唯一本土爆撃を行ったのが日本です。
映画の中で描かれているように、ダーウィンは64回にわたる攻撃を受け、292人の死者(そのほとんどは軍人)を出しました。ダーウィンが攻撃対象となったのは、オーストラリア軍の基地と大規模な燃油タンクなどがあったため、そこを拠点に反撃に出られることを(日本軍が)恐れたから。
ただし、映画の中では、日本軍がオーストラリアへ上陸したように描かれていますが、実際は上陸していない(基本的には空襲)はずですし、無闇に民間人を攻撃したという事実はありません。
二国間にこうした悲しい歴史があるのは残念なことですが、第一次世界大戦では、トルコのガリポリへ赴くオーストラリアとニュージーランドの混合部隊「アンザック隊(*)」を日本の艦隊が護衛した事実もあり、このことに対し、オーストラリアでは今でも日本に対して敬意を払う退役軍人もいるなど、悪い過去ばかりではありません。
こうした戦争の真実は、すべての日本人が知っておくべきことだと思いますが、映画の中で描かれていることだけで安易な判断をするのは控えたいものです。ちなみに、この映画の歴史に関する描き方については、国内でも厳しい批評があったことを付け加えておきたいと思います。
☆二つの世界大戦 by オーストラリア政府文化機関・豪日交流基金
(*)=アンザック隊/ANZAC(Australian and New Zealand Army Corpsの略)
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