今月初めに発表された新世界遺産。日本でも12カ所めの世界遺産として『紀伊山地の霊場と参詣道』が登録されましたが、期を同じくして、オーストラリアも16カ所めの世界遺産が登録されました!
今年新たに世界遺産として登録されたのはメルボルンの『ロイヤル・エキジビション・ビルディング(王立博覧会ビル)/Royal Exhibition Buildingsとカールトン公園/Carlton
Gardens 』。今回の世界遺産登録は、オーストラリアでは、昨年登録されたパヌヌル国立公園(西オーストラリア)に続く2年連続となり、アボリジニ関係以外の文化遺産としては初めてのもの。
これからオーストラリアにおける様々な場所が、遺産としてますます価値を帯びてくる?…そんなことを予感させる(?)、メルボルンの『王立博覧会ビルとカールトン公園』の魅力をかいつまんでご紹介します!
オーストラリア初の文化遺産建築
オーストラリアの世界遺産はこれまで、ほとんどが“自然遺産”。“文化遺産”としては、自然遺産との“複合遺産”という形で、アボリジニ関係のものだけだったのですが、このメルボルン『王立博覧会ビルとカールトン公園』で、西洋建築・景観設計として初めて単独の“文化遺産”に登録されました。
王立博覧会ビルとカールトン公園の登録カテゴリーは、文化遺産(ii)。
この文化遺産(ii)の登録基準、重要性については以下の通り。
ユネスコ文化遺産への登録基準 by UNESCO世界遺産委員会 文化遺産(ii) ある期間、あるいは世界のある文化圏において、建築物、技術、記念碑 、都市計画、景観設計の発展において人類の価値の重要な交流を示していること。 |
そんなわけで、基本的な遺産としての価値は、ビルディング(建築物)=王立博覧会ビルに重点が置かれたようですが、万博会場として作られた周辺の施設、つまりカールトン公園も都市計画及び景観設計の一部として考えられ、それら全部をひっくるめて(?)世界遺産に登録されたようです。
建設された1880年当時の様子 |
王立博覧会ビルとカールトン公園の概略
1880年に開催されたメルボルン万博のために建設。その後、1888年にも同所にて百周年記念万博を開催。
19世紀における国際万博のひとつとして、世界中から注目を受ける。
当時メルボルンで活躍した建築家・ジョセフ・リード/Joseph Reedによる設計で、ビザンチン、ロマネスク、ロンバルディック、イタリアン・ルネッサンスの建築様式をうまく取り入れ、国際万博が盛んであった当時(19世紀後半から20世紀初頭)の万博関連建築物としては、最も古いもののひとつ。
現在は同じ敷地内に、南半球最大規模のメルボルン博物館やアイマックス・シアター(大画面シアター)があり、観光客はもとより、メルボルン市民憩いの場でもある。
●建築期間 | :1879-1880年 |
●設計デザイン | :ジョセフ・リード |
●天井までの高さ | :70m |
●構造 | :2階建て |