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知られざる舞台裏、ボーカリストの苦労とは? 日本人女性ジャズシンガー前編

日本では会社勤めをしながら、音楽への情熱を持ち続け、NYでプロのジャズシンガーとしてステージに立つYukakoさんにインタビュー!

執筆者:溝口 弘恵


今回は、日本では会社勤めをしながら、音楽への情熱を持ち続け、音楽の道に進んだジャズシンガー、ジャズプレーヤーでもトップクラスの人が多いNYにて、プロで活躍中のYukakoさんにデビューのきっかけとなったお話をうかがった。Yukakoさんのウェブサイトでも彼女の歌を聴けるが、日本人だと言われないと気づかないくらいに英語の発音がきれい。それでも日本人らしく繊細な甘いヴォイスで、癒される。
音感がいいからか、英語の発音もきれいな彼女

趣味からはじまったジャズ

まずNYへ来たきっかけは?
「日本では大学時代に、音楽サークルでカバーバンドなどのシンガーをやっていました。基本的には、ポップやR&Bだったのですが、後のほうにはジャズにも興味をもっていました。それでも、ぜったいにそれを目指していたわけではありませんが・・・。

大学卒業後は、某企業で働いていて、そこで英語を話す環境があって。そこで出会った外国人の友人と英語を話すようになったのもあって、英語を話すのがこわくなくなりました。プライベートではジャズを聞きはじめて、趣味でジャズのレッスンをとっていたのですが、『趣味にしては上手いけど、趣味の領域を突破しないなぁ~』って友人に言われたり、自分でもそう思っていて。

日本の企業で働いてると自分の時間がないせいか、なんとなく2年目ぐらいに自分を見つめなおそうと考えて。自分は、音楽をやってみたいと思ったんです。それで3年目に決断して、ボストンの音楽大学(バークリー・カレッジ・オブ・ミュージック)へ通うことにしました。そこではメジャーを自分で選択できたりするディプロマ(専門)のコースに2年通いました。基本的にはジャズの音楽理論やイヤートレーニングがあったり、プロフェッショナル・ミュージックの他、選択で歌やパフォーマンス、編曲や作曲のクラスをとりました。

NYへ来ていたシンガーの友人がいて、彼女が日本に帰る前にNYに来てみない?って誘われて、大学卒業後2003年の1月からNYへやって来ました。NYのジャズシーンはレベルが高いので見たかったし。ミュージシャンだったら、一度は自分の腕を試したいっていう憧れの場所なんです。

3ヶ月くらいの短期間いるつもりで、ジャムセッションを見に行ったり、人の演奏を聞いたりして過ごしてました。NYだと、いろいろな音楽を機会を聴くことが多いから、刺激も多いし、有名なアーティストの演奏も日本のように高くチャージされず、安くで見れるところがいいですね。ただそうやって暮らしてるうち、自分のゴールはなにか?って思いはじめたのですが・・・。ボーカルとしてのレベルを上げたい、職業よりも自分の音楽をいつまでも改善していきたいって。人のものをインプットしてるばかりでは音楽って上手くならないから、歌の仕事を探すことにしたんです」

他のアーティストの演奏を見に行くばかりでなく、自分が、そのステージに立って歌うのだと決意を固めた彼女は、自分のステージを求めてマンハッタンにて営業活動をはじめるのだった。
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