門戸の広いNYのフラワーショップ
NY流のフラワーアレンジメントを実際に生けることによっても学んださおりさんは、今度は実際にNYでもセンスのよい花屋さんで働こうと、レジュメ(履歴書)を持って自分の足で探しまわり、インタビューへと体当たりするのだった。「夏にリサーチもかねて就職活動をはじめたんですが、夏って花屋さんは暇なんです。回ったほとんどのお花屋さんからは、秋になったらまた来て下さいって言われました。私が1年ほど働くことになったFlowers of the worldは、秋にデザイナーの募集があったので、すかざずインタビューを受けました。どこの花屋さんでも、レジュメはきちんと目を通してくれるし、アメリカって門前ばらいされないところに懐の深さを感じましたね。
Flowers of the worldは、腕のいいデザイナーばかりだったし、とても流行ってる店でした。まず作りおきの花は25個くらいは常に置いていたし、大手企業のオフィスやホテル、ラルフ・ローレンやトミー・フィルフィガーなどアパレルのショップや、レストランへ定期的(一週間ごと)にデザインした花を届けるのが、オーダー(誕生日やお祝い事などのお花)を作る以外の主な仕事です。ほか、レストランにも届けていました。私も1日に10個くらいは作ってました。パーティーなんかが入ると、200個のアレンジを皆で手分けして作ったりしてました。
あと一般家庭へも定期的にお届けしてました。私たちが届ける花は最低でも75ドルからだし、お花を3つも届けるのですが、マンハッタンにこんな大きなお屋敷があるんだなぁ~っていうくらいに豪華な家。リビングに200ドルくらいするものを1つと、ダイニングには75ドルから150ドルくらいするものを1つ、そしてバスルームにも40ドル程度のものを飾ります。お花を届けるのは、デリバリー専門の人がいるのですが、一週間半ばのメンテナンスは私たちが、そろそろダメになっただろうなぁ~という花をもって、直接うかがったりします」
庶民な私からすると、マンハッタンのお金持ちのお屋敷へ、お花のメンテナンスに定期的に通ってれば、リッチなマダムと、お友達になって高級茶菓子に高級ティーなどを囲んで、おしゃべり!なんて一時もあるのかと思ったら、やはりそういうお家には、お手伝いさんとかベイビーシッターばかりしか昼間にはいないのだとか。リッチなマダムは、昼間はカルチャーセンターもしくは、5番街でお買い物でもしてるのかしら?
まだまだ上を目指すさおりさんは、いよいよ個人でフラワーアレンジメントのクラスを始めるのだった。