ニューヨーク/ニューヨーク近郊の見どころ

ストーン・バーンズはまるで日本の阿蘇! NY郊外の牧場でスローフード体験

マンハッタンから最も近い牧場ストーン・バーンズ。のんびりしてる牛や羊を眺めていると、なんだか心が癒される。

執筆者:溝口 弘恵


道に迷ってたどり着いた、阿蘇のような大地

この牧場は、水曜日~日曜日一般の人たちにも無料で開放している。
のんびりした牛たちも、ここのレストランでステーキにされてしまうのかなぁ~と思うと切ないけど、やっぱり美味そう。
NY郊外ホワイトプレーンズの我が家より、北に住んでいる友人宅からの帰り道。主人の実家に寄ろうとハイウェイSaw Mill River pkwyを南下してる途中、EastviewのExitから出たのだが、左に曲がるべきところを右に曲がってしまったらしく、道に迷った。まっ、地図もあるしいいかなぁ~と、気楽にウロウロとドライブを楽しむことにした。しばらく走ってると、大きな川のような湖のような美しいながめが道路わきに見えた。そして丘にのぼる道へいく。と熊本の阿蘇のような緑の草がフサフサとしている大平原が広がったのだった。しかも、のんびりと黒い牛たちが、あちこちで草を食べている。ここは本当にNY?

数日後、友人にこのことを話すと、ここはストーン・バーンズ(Stone Barns Center for Food and Agriculture)といって一般に公開している農場。ここで採れた野菜や肉を使って料理してくれるレストランやカフェもあるという。フレッシュな食材がそろってるせいか、レストランは1ヶ月先まで予約でいっぱいだったとか。牛以外にも豚や羊などを飼っていて見学できるという。

スロー・フードブームにのってマンハッタンからくる人も

早速、子供をつれて行ってみた。週末だったせいかパーキングは満車に近く、子連れの家族や中高年のカップルがウジャウジャいるじゃないか。「ママは動物好き?」と小さな金髪の女の子が楽しそうに母親と話をしている。

ストーン・バーンズでは、80エーカー(約32.37ヘクタール)もの牧場や野菜づくりの場を、農業の教育のため一般に無料で公開している。レストランやカフェでは、ここで育った野菜や肉が食べられる。野菜もハウス栽培してるので年中フレッシュ。まさしくスロー・フード(ファースト・フードに対してイタリアで生まれた言葉、伝統的食材や料理など、質のよい食品をゆっくり味わおうという流れ。スロー・フードUSAのサイト)ブームにのったニューヨーカーも、マンハッタンからやってくるのだった。のんびりと草を食べてる馬の頭をなでてみたり、すぐ手のとどく所まで羊やニワトリが集まってくるので、子供たちは大はしゃぎ。その他、子供たちが実際に畑の作物を採ったりできる講習や、大人のためのハーブ講習、そして農場見学はもちろん、コーラス隊などがやってくるというイベントもある。

ちなみに、私はここのカフェで軽く「本日お勧めのコーン・スープ」を試したが、ミルクの濃い味がハンパじゃなく、今までに味わったことのないコクのある味わいだった。ミルクが濃すぎて、ちょっと胸やけしてしまったほど。家族づれだけでなく、カップルのデートにも、ここのスロー・フードが食べられるようマンハッタンにもBlue Hillというレストランがあるという。


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