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ビザがなくてもNYに住める??? NY不法滞在者インタビュー<前編>

不法滞在者は日本人にも多い。学生ビザで渡米して、結局、日本に帰ることなくビザが切れてしまった人なんて星の数ほど存在する。

執筆者:溝口 弘恵


※注・・・この記事は不法滞在を奨励してるものではありません。

NYのレストランで働いてると不法滞在してる人に出会うことも多い。もちろん国籍は様々。不法滞在者なので足元をみられて低賃金で過酷な労働を強いられている人も多い。それでもアメリカンドリームか、貧しさから逃れるためか、不法滞在者は後をたたない。

不法滞在者は日本人にも多い。学生ビザで渡米して、結局、日本に帰ることなくビザが切れてしまった人なんて星の数ほど存在する。今回は、そんな日本人の不法滞在者にインタビューを試みた。

不法滞在ってくらいだから、ひっそりと暮らしてるのかとイメージするけど、自由に活動してる人ばかり。ただし、将来への不安は隠せない・・・。それでも、彼や彼女らは、なぜNYで暮らすのか?

インタビューに答えてくれたのは、30代半ばの女性。日本の有名な美術大学を卒業後、出版やデザイン関連の様々なキャリアを経た女性である。


不法滞在者でも働けるNY


まず、NYに来たきっかけから、生活手段について語ってもらった。
「大学時代の同級生が住んでて、彼女がこっちのアートスクールを卒業するから、その卒業式を見にきたのが1999年の5月。NYにはまったく興味が無くって、ヨーロッパ志向だったんだけど、来てみたらいろんな街の顔があってすごく面白くなってそのまま住み着いてしまった。

私がNYに来たときは、NYのバブルが終わったあとだけど、まだたくさん日本食レストランで働き口があって、見つけるのに苦労はしなかった。学生ビザで働いてはいけないんだけどレストラン側でも人が欲しくって、ほとんどの人が学生ビザで働いているってのが現実。

最近は景気が悪くって。とくにテロ以降、どんどん日本人が減って日本食レストランも閉鎖されてしまったし、今回の戦争でますます困難になってきたかな。

今はその学生ビザでも働けなくなったりしているけれど、探せば抜け道があって、あたしみたいな不法滞在者でも働けるお店は未だにあるし、そういういい加減なところはアメリカだなぁ~って思う。

ランチとディナーで週5日働いて、日本のサラリーマンの給料くらい(月3000ドル)稼いでる友達もいるし、あたしはディナーだけで月1200ドルほどで生活してる。お給料は日本とちがってチップ制なので、日々稼ぎが違って、ローラーコースターな日々かも(笑)。」

日系のレストランの仕事があるっていうのは、今は不景気とはいえ、そもそも日本の国がリッチでNYにたくさん日系のレストランがあるからっていうおかげでもある。ピアノバー(日本人のお姉ちゃんがいるクラブ)なんて、リッチな日本のサラリーマンがまだまだ福沢諭吉を湯水のように使ってくれるから存在できるわけで・・・。
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