日本に居たころ私が漠然と思っていたのは、「ニューヨークってファッションの最先端だから、きっとヘアースタイルは斬新で、技術的にも優れたものがあるんだろうなぁー」ということ。ところが、ニューヨークでアメリカ人のヘアーサロンに入ると、シャンプーもいまいちで、カットは毛先をそろえる程度の技術しかないことに驚かされた。櫛ですきながら頭の上まで髪を持ち上げてスムーズにカットするなんてことをできない美容師もいるのだ。
安いサロンへ行った友人は「たったの5分ほどで右から左へ直線にカットして終わりだったんだよぉー」と泣いていた。今回インタビューした美容師ノッキー(飯塚 典登)さんによると、美容の技術はアメリカより日本のほうがはるかに上なのだとか。さて、どんな違いが明らかにされるのか記事を熟読あれ。
19歳で美容の専門学校を卒業し、日本で7年間ヘアーサロンにて腕をみがき、いったんニューヨークへやってきたノッキーさん。渡米のきっかけは「海外に興味ないの?」という同じ美容師であるガールフレンドの一言だったとか。2ヵ月半ほど、友人のつてに頼ってニューヨークのダウンタウンにあるHair Matesという日本人経営のヘアーサロンにて「見学」という形で、働くことになった。その後いったん日本へ戻り、銀座にある「ジャンクロード・ビギン」で働いてから2年後、再びニューヨークのミッドタウンにあるHair Mates系列店Toshi & Hairmatesにて正式にH1-Bビザステータスで働くこととなった。