【contents】
■生きている町家のくらし!その佇まいは、当時のまま……P1
■京都の町家の仕来りと季節の生活を感じる……P2
生きている町家のくらし!その佇まいは、当時のまま
冨田屋(とんだや)は、江戸中期から近世末まで、伏見で両替商を営まれ、その後は明治18年に西陣に産地問屋として移り住みました。老舗の風格がある外観は、西陣の街にぴったり。一際目立つ町家です |
母屋と表蔵は典型的な表屋造りで、外から外観を見ると大きな塀が続いており、外からでも大店である事が伺えます。
町家独特の玄関を入ると空気がひんやりとし、空気が流れている事を感じられます |
まず、入り口より玄関に入ると、何とも不思議な空間が広がります。そこは天井が高く、土間が続き横に井戸があります。そして内玄関を見ると華やかな雰囲気へと変わります。玄関より次の部屋へと進むと、大広間へと続きます。そこには、大きな神棚があり今もなお、生活をし、お商売をされてる暮らしぶりを目の当たりで感じられます。
井戸のポールが少し傾いているは、作られた当初からとの事。枝本来の趣のまま使用されています |
そして、大広間を抜けると手入れされた坪庭へ。そしてそこには、金の井戸と2番目の蔵が。
細かな部分まで、じっくり見学するのがポイント |
奥の間に続く廊下は、ケヤキの一枚板で造られるなど、細かい細工にまで当時のこだわりを感じられます。
この町家の洋室を見ながら長い廊下を通り抜けると、お客様を招いて能を舞った座敷へと続きます。この座敷で、お茶会などの点心や見学コースの最後にいただける「ぶぶづけ弁当」などを頂きます。
畳を外すと板の間になり舞をまう事ができます。後ろの坪庭は、座って能を見る際にバックとなるように考えられており、松や垣根もそれに合わせたものです |
ここの座敷の置かれている机は、100年以上も前のものです。町家の見学だけでなく、冨田屋の代々の当主が集めた道具や調度品なども普段の生活に使用されており、何気なく置かれているのに驚きました。
最近では、商業的な町家が多いためか、実際の生活の匂いを感じながら見学できる所は、なかなか無く、地元の人間でさえ興味深く見る事ができます。さらに、季節毎の行事にそった催しのコースに参加すると、なお一層深く町家の生活を体験できます。
次のページでは、「仕来り」や「季節の行事に参加できる催しもの」のご紹介です。