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人はなぜ沖縄病に罹るのか(2ページ目)

ここ10年で沖縄を取り巻く状況が大きく変化しました。それらは、人によって地域によっては全く別の現象が見えるかもしれませんが、自身の体験を通して感じたものを説明してみたいと思います。

執筆者:鈴木 雅子

病んだ心の逃げ場所と化してしまった沖縄

沖縄に惹かれる理由
沖縄には素敵な光景がたくさん…
かつての私は、明確な悩みを抱えた人を、見ず知らずの元気な旅人や、地域の人たちと一緒に混ぜてしまうショック療法でかなりの効果を得ました。

みんな、1カ月も沖縄に滞在していると、みるみる内に元気を取り戻し、もう一度社会(日本)に復帰するための意欲を取り戻して本土に帰って行ったからです。当時の沖縄は、人生を再生させる場所でした。

ところがいま、沖縄にやってくる人たちを再生させることが難しくなっています。本土に戻れば高ストレスの生活が待っているため、精神のバランスを保つための一時避難所としての役割を沖縄は背負わされているような気がします。

こころの逃げ場所です。

沖縄に惹かれる理由
こんな看板などが好きなリピーターさん多し
本当は、このままずーっと沖縄に居たい。けれど生きるためには本土に戻るしかない。そんな葛藤の中にいるのが沖縄病患者と呼ばれるリピーターさんたちの多くではないかと思っています。

シャキシャキと仕事をこなしながらも、心の中では沖縄にいる自分自身を空想し、同時に沖縄にいる知人たちの顔をあれこれ思い浮かべ、その想いを日々浮遊させることで過大なストレス負荷を軽減する……。

「那覇空港に着いたらね、もう涙が出てきちゃった。なにしろ7カ月も来れなかったから」

先日お会いした沖縄リピーターさんの言葉です。年に何回も来ていた彼女が、7カ月間来れなかった理由は「鬱病」でした。

このように、誰もが病んでしまう可能性の高い社会のなかで沖縄は存在しています。もちろん沖縄にも問題はいっぱいありますから、決して南の島の楽園ではないのですが……。

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