沖縄の観光・旅行/沖縄関連情報

沖縄の染・織・陶・工芸にアーティストの技を観る 個性を競う沖縄のモノづくり

卓越した技を持つ沖縄の工芸家たちの作品を紹介いたします。いずれのアーティストもHPを持っていないため県外ではあまり知られておりませんが、機会があれば足を運んでくださいね。

執筆者:鈴木 雅子


沖縄市工芸フェアに行ってきました。今年で3回目を迎えたこの催しは「手づくりの工芸品」をテーマにした街づくりを進めている沖縄市で2002年から開催されています。会場となったパークアベニューには県内工芸作家のブースが設けられ、3日間にわたって賑わいました。

残念なことに、卓越した技を持つこれら工芸家の方たちは、その殆どがホームページを開設しておりません。そこでガイドが「おっ!」と思った作品をいくつか紹介いたします。ちなみに今回紹介する作品たちは、あくまでもガイド個人の主観によるものです♪


「やちむんカフェ・ゆしびん」の漆喰シーサー

諸見里剛さんの力強い漆喰シーサー
諸見里剛さんの力強い漆喰シーサー
親の代からの陶芸家、諸見里剛(もろみざとつよし)さんの漆喰シーサーは、沖縄の古い民家の赤がわらと漆喰で作られています。

いまにも「カッ!」と怒り出しそうなイキイキとした表情に魅了されました。一見怖い顔。だけど、じーっと見つめていると、なぜだかとても可愛いいシーサーに見えてくるから不思議。なんとも味わいのある表情です。

諸見里剛さんの力強いシーサー
焼物のシーサーも迫力満点
シーサーとは、もともとは中国から伝わったもので、魔よけの意味を持っています。外からやってくる魔物たちにニラミを効かせて家を守るわけですね。シーサーには焼物製と漆喰製があり、作家によってその個性も様々。近頃は素朴な風合いの漆喰シーサーの人気が高まっているようです。

なお、「やちむんカフェ・ゆしびん」では、漆喰シーサーの絵付け体験ができます。諸見里剛さんが優しく指導してくれますので、お子様から大人まで楽しめます。

【やちむんカフェ ゆしびん】
所在地・沖縄県恩納村字前兼久1(ムーンビーチのバス停そば)
電 話・098・964・6926
営業日・不定休ですので電話で確認してください。
駐車場・2台程度
MAP・Yahoo!地図情報

やちむんの新潮流を「さとし陶房」に観る

青の発色が美しいさとし陶房の器
青の発色が美しいやちむん・さとし陶房の器
私が個人的に抱くやちむん(焼物)のイメージは「素朴」感です。ダイナミックと言い換えてもいいですね。生活の場に活用される焼物であって、飾り物ではありません。チャンプルー料理をどーんと乗せて、みんなでいただくための皿ですから、しっかりとした厚みもあります。

「オヤッ?」と思ってしまったのが「さとし陶房」の焼物でした。典型的なやちむんを基盤にしつつも、より洗練されたというと失礼ですが、生活美以上の美しさを感じる焼物だなーと……。

やちむん・さとし陶房の器
より洗練されたやちむんの世界を構築
琉球ガラスの世界では、アーティストが個性を競うスタジオガラスという個人工房が生まれていますよね。それと同じく、やちむんの世界でも古典的な作品世界から一歩足を踏み出した新しいやちむん作家が生まれているようです。

焼物のことはさっぱり分からない私ですが「やちむんの世界も油断できぬ!」との想いを新たにしました♪ 

【さとし陶房】
所在地・沖縄県島尻郡与那原町字与那原597
電 話・090・4470・9690(携帯)
営業日・電話でご確認ください。
MAP・Yahoo!地図情報


■1ページ
・やちむんカフェ・ゆしびんの漆喰シーサー
・やちむんの新潮流を「さとし陶房」に観る
■2ページ
・吹きガラス体験もできるガラス工房「匠工房」
・貴族のための織物を今に伝える首里織の「草木家」
■3ページ
・座安木工所のチャーギ家財に職人の技を知る
・藍染なみかわが生み出した赤土の「マージ染め」
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