沖縄本島では少なくなりましたが、沖縄の古民家は赤い瓦を白い漆喰で塗り固めており、朱赤と白のコントラストが青い空と海にくっきりと映えて、その、静寂の中の鮮烈な色に息を飲むほどの感動を覚えてしまいます。
スペイン風の赤瓦屋根と白壁の外観を持つホテル日航アリビラでも、同じような感動を受けてしまいます。
読谷村のサトウキビ畑の中をドライブしていると、海と空がつながった風景の中に突然現れるスパニッシュコロニアル風のとても美しいホテルです。
読谷村は、那覇市から車で1時間弱という交通至便な場所ながら、豊富な自然と地域の人たちの細やかな人情に触れることができることから、リゾート地としてだけでなく、本土から移住された人にも人気の土地柄で知られています。
アートするホテル
今回、ホテル日航アリビラをご紹介しましたのは、大型ホテルなのに、くつろぎとプライベート感覚を何よりも大切にしている姿勢を感じたからです。リゾートホテルによく見られる巨大な吹き抜けのアトリウム式ではなく、スパニッシュコロニアルなデザインにこだわったのは、落ち着いた雰囲気の中でゆったりと滞在していただくためのものです。
400室もあるホテルでありながら、まったくそれを感じさせません。私個人もカフェなどをよく利用するのですが、日本のリゾート地特有の喧騒感がありません。
エントランス、ロビーなどのパブリックスペースは、滞在中のお客様にちょっとした楽しみや驚きを発見してもらうための工夫が施されています。その1つがアリビラ美術館。
ホテル内を美術館のギャラリーに見立てて、世界のアーティストたちの作品を惜しげもなく展示しているんです。
例えば、ホテル内のレストラン「護佐丸」入り口にはイソベ作(ハワイ)の額絵「水シリーズ」。エレベーターホールの1つにはR・ハミルトン作の「大皿」やW・ペイン作の額絵「ハズ」がさりげなく飾られています。
また、ガーデンテラスにはR・シーラー作の「オブジェ」というふうに、ホテル全体がギャラリーとなっています。これらの作品を探すためにホテル内を探検してみるのも楽しいでしょう。
本物にこだわったスイートルーム
ホテル日航アリビラのお部屋は、全室オーシャンビュー。陽気なカリビアン感覚の室内と開放的な浴室が自慢のスタンダードツイン(43m2)、コーナーデラックスツイン(56m2)などがあります。今回はAllAboutマガジン「男のライフデザイン・For M(フォー・エム)」特集として「極上の宿・至高の部屋」にふさわしい2タイプのスィートルームをご紹介します。
次の各ページは写真中心の構成となっております。
撮影は、フォトグラファー・Nori.Kさん。
アリビラスィートのベッドルーム |
南国的な明るい色を使いながらも、クラシカルなイメージのシックなインテリアで統一されています。
これみよがしの豪奢な雰囲気ではなく、さりげなさのなかに漂う贅沢感とでも表現したい、品の良いお部屋です。
ロイヤルスィートルーム |
重厚ながら取り澄ました雰囲気ではなく、居心地のよさと落ち着ついた佇まいを感じるのがホテル日航アリビラのロイヤルスィートルームです。ヨーロッパ貴族のプライベート居室とは、きっとこんな感じなのでしょう。
これまで、このルームに滞在した世界のトップ・エグゼクティブたちが、リラックスしながら円卓テーブルを囲み歓談している姿が浮かんでくるような錯覚を覚えてしまいました。