ラ・シュミネ From:小樽
古い話で恐縮ですが、私の学生時代、小樽は憧れのデートスポットでした。運河や周辺の歴史的建造物。歩いているだけで楽しかった。今ではすっかり賑やかになって、昔の面影がないのが寂しいのですが…。
そんな小樽に、歴史的建造物をリノベーションしたフランス料理と鉄板焼きのレストランがあります。いろんな意味で味わい深いところです。
小樽の東雲町の坂道をずーっと上がっていくと見えてくるのが、旧板谷邸「海宝樓」。大正15年~昭和2年にかけて建てられた和洋建築様式の美しい邸宅です。残念ながら現在は休館中。
目指すレストラン
「ル・シュミネ」は、この海宝樓の正門の横にある駐車場を入っていくと見えてきます。板谷邸の木造母屋に隣接する洋館の半地下部分がシュミネです。シュミネとは「暖炉」の意味。暖炉があるこの部屋は、当時プールバーに使われていたんですって! 昭和初期にここでビリヤードに興じていたとは、洒落ていますよね。
札幌や東京で仕事をしてこられた、シェフの花形さん。ソフトリーゼントをばしっと決めたジェントルマンです。シェフは小樽の出身。「前浜である日本海の旬魚の魅力を伝えたい」と話をしていました。シェフの仕事ぶりを見ることができる店内は、10席ほどの小ぢんまりした空間。なんだか落ち着きます。
シェフの言葉通り、最初のひと皿はカスベ(エイヒレ)のブランダード。カスベ=煮こごりというくらい、小樽周辺の人にとっては懐かしい味。カスベの身肉をしっかり感じられるフレンチ風煮こごりに仕立てていました。
写真のひと皿は、甘エビのラタトゥユ。紅芯大根と甘エビの赤に心惹かれました。甘エビのねっとりした食感としっかりとした甘さ、爽やかな紅芯大根、ラタトゥユが一体となると、それはもう口の中は幸せいっぱい。
アンコウは冬の印象が強い魚ですが、小樽沿岸では春も夏も漁があります。シュミネでは、肉厚むっちりのアンコウをポアレにし、ブイヤベース仕立てでいただきます。
お肉のメインはラムのロースト。マスタードがアクセントになった食べ応えのあるひと皿でした。お豆系で統一した付け合わせも、なかなかに印象深かったですよ。
今回は、AllAbout「フレンチ」ガイドの嶋さんご一行とご一緒しました。より詳しいインフォメーションは、嶋さんのガイド記事をぜひ!
http://allabout.co.jp/gourmet/frenchcuisine/closeup/CU20080619A/また、こちらでも詳しく紹介されています。
食べちゃお、食べちゃお(ホッカイドーフード・コーディネーターの松田さんのblog)
【DATA】ル・シュミネ小樽市東雲町1-19 海宝樓 地下1階
TEL 0134-33-1885
http://gourmettown.net/lacheminee/