暦の上では春ですが、北海道の春はまだまだ先。そこで、少しでも春っぽい雰囲気を味わおうと道南の函館を旅して来ました。
3月はホテルの宿泊料金が手頃で、JR北海道では札幌~函館得割りきっぷも発売中。観光客も一段落しているので、街歩きを楽しむにはおすすめの季節です。
では早速、函館のとっておきスポットを歩いてみましょう。
■■ まずは街歩きから・・・
▼【ギャラリー村岡】
教会が立ち並ぶ元町散策の途中、ぜひ寄っていただきたいスポットがこちら。函館&近郊を中心に道内の工芸家の作品を展示・販売しているギャラリー兼ショップです。工芸品といっても堅苦しいイメージではなく、なごみ系の作品がいろいろ揃っています。写真のポストカード(各100円)は、主宰の村岡さんが描いた函館の歴史的建造物。お土産にいかがでしょう?!
さて、函館の街並みを愛する村岡さんは、函館の建築物にとても詳しいんですよ。時間があれば、いろんな話をしてくれます。特に面白いのは函館ならではの擬洋風建築の話。1階が和風、2階が洋風。さらに2階の下見板をペイントした上下和洋折衷の民家は、元町はじめ西部地区に多く残っています。有名な教会群だけではなく、庶民の生活の歴史を感じさせる擬洋風建築にも目を向けてみてくださいね。
※写真上は明治30年代に建てられた弁天町の小森家住宅店舗(画・村岡さん)/下は西部地区のカトリック元町教会と擬洋風建築のめがね屋さん
▼【茶房ひし伊】(はこなびより)
元町地区には雰囲気のいい喫茶店が多数点在していますが、私が函館を訪れる度に寄るのが「ひし伊」です。明治~昭和にかけてひし伊・入村質店だった土蔵を再利用。店内の至るところに、アンティークなグッズがさりげなく置かれ、とても絵になるお店です。1階のテーブル席も落ち着きますが、オススメは2階。小上がりになっているので、散策のひと休みにはぴったり。
隣接する【蓬莱HISHII】は、20時からバーになります。日中は、店長の入村さんの目に適った着物やグッズを販売しています。ここには面白い逸話があります。質店だった明治40年頃、石川啄木の妻・節子さんが何度か通ったことがあるのだそう。着物を質入れして貧しい生活を支えていたんでしょうね。なのに啄木ったら、結構な遊び人だったという噂なんですよね。さて真偽のほどは・・・。
▼【函館市水道局】
*この施設は建て替えになり、現在はありません
観光スポットではありませんが、土産話にぜひ見て乗っていただきたいのが、このエレベーター。一見、何の変哲もありませんが、昭和9年に設置された東北以北最古のもので、扉は普通の扉と蛇腹の二層式、昇降も開閉もすべて手動! エレベーター内には専属のスタッフが常駐し、ハンドル1つで操作しているんですよ。
一番驚いたのは、呼びボタンを押して待っていると、エレベーターの中から「上ですか?下ですか?」って声が聞こえるんです。昭和9年製だと呼びボタンが1つしかないので、上下の指定ができない。なので、呼ばれた階数を通過する時に、上下の確認をするそうです。笑っちゃうほどレトロ。観光客でも自由に乗ることができるので、ぜひ!