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消えゆく日本の「乗り物ホテル」

列車ホテル、シップホテル。70-80年代には一世を風靡した乗り物ホテルも今では風前の灯火。わずかに残る乗り物ホテルに泊まりに行ってみませんか。

井門 隆夫

執筆者:井門 隆夫

旅館ガイド

「乗り物ホテル」をご存じですか

ホテルスカンジナビア
在りし日のフローティングホテルスカンジナビア(沼津市三津浜)。36年間も西伊豆に浮き営業していた。(「さようならスカンジナビア号」さんより)
最近めっきり「乗り物ホテル」を見かけなくなりました。70~80年代には、引退した寝台列車(客車)を使った「列車ホテル」や、港に係留された船をホテルに改造した「シップホテル」がありました。
80年代の後半、青森のねぶた祭りの開催期間中など、青森駅操車場に停車する列車ホテルにずいぶん多くのお客様が泊まっていたものです。その後、客車自体がなくなったことや車両の老朽化により、どんどんなくなっていってしまいました。
シップホテルは、記憶の新しいところでは、2005年12月まで長崎港で営業していた「ホテルシップヴィクトリア」や、2005年3月まで西伊豆の三津浜に係留され36年間も営業した「ホテルスカンジナビア」が思い出されます。スカンジナビア号は、母国スウェーデンで余生を送るため曳航中に、残念なことに沈没してしまいました。

トレインホステル
トレインホステル(スウェーデン)の朝食ビュッフェ。寝台列車をそのまま使う6両編成のうち3両が客室コンパートメントになっている。
こういう、今だからこそクールな「乗り物ホテル」にはもう泊まれないのでしょうか。
スカンジナビア号の母国スウェーデンは、こうした乗り物ホテルをユースホステルとして生き返らせるのが得意で、ルンドという町の駅には、6両編成の「トレインホステル」があったり、ストックホルムには「アブ・チャップマン」という帆船がそのままユースホステルになっています。岸にはカフェ・バーもあって、なかなか清潔でオシャレなホステルです。
さらには、2008年12月には、ストックホルムの空港に、引退したジャンボ機が「ジャンボ・ホステル(26室)」として登場。話題をさらっています。モノを大切にする良い国ですね!
では、いまや風前の灯火。わずかに残る、わが日本の乗り物ホテルをご紹介しましょう。
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