世界遺産の修験道の山

大峯山は、役行者により草創されたとされる日本有数の修験道の山(山系)。今でも日本で唯一「女人禁制」が守られ、山上ヶ岳山頂にある大峯山寺を中心に、吉野山から熊野本宮までの約80kmの尾根道が「大峯奥駆道」として世界遺産にも登録されている山岳宗教の聖地です。
西の覗き
大峯山中随一の行場「西の覗き」。
その修験道の山に登る最もポピュラーなコースが、「洞川(どろがわ)温泉」から大峯山寺を往復するコース。4時間かけて大峯山・山上ヶ岳に登ります。途中、「油こぼし」「鐘掛岩」など鎖場の行場を通り、「西の覗き」と呼ばれる行場が修行のクライマックス。体に巻いた命綱をつかんでいてもらいながら絶壁から身を乗り出し、仏の世界を垣間見る荒行です。赤いぼんぼりを首から提げ、腰に鐘を掛けた白い行者装束の山伏さん(行者さん)たちが皆、経を唱えながら挑んでいます。
この行者さんコースを一般人も体験できる「修行体験」が毎月一回、一泊二日で開催されています。実施は、大峯山寺戸開式の5月から、戸閉式の9月までの計6回(8月は二回実施)。日常の煩悩から解脱したい健脚な男子なら挑んでみてはいかがでしょう。

女人結界門
ここから先は男子のみ。1300年の歴史を守る。
「山伏修業一日入門」は、洞川温泉に16:30集合。大阪阿倍野橋から近鉄で約1時間。下市口駅でバスに乗り換えてさらに約1時間、計2時間強で到着します。洞川温泉は「行者さん通り」と呼ばれる道を挟み、木造宿や土産店が並ぶ温泉街。どの宿や店も軒下に提灯を下げ、縁側では茶をもてなし、夏には障子を奥まで開け放しています。夜には宴会の賑やかな声が道までとどき、電灯色のなか木造宿が浮かび上がる、まるで「千と千尋の神隠し」の舞台のような雰囲気です。今日の宿泊は、この洞川温泉の指定旅館。各旅館は「大峯講」と呼ばれる全国の信者さん(行者さんとも山伏ともいう)を抱えており、白装束の皆さんと一緒の宿泊になることでしょう。
夕方17時には、まずは早速、大峯参拝の行者さんが行う水行を、役行者が開いた龍泉寺で行います。龍の口と称する湧水口からこんこんと湧き出る境内の水行場で身を清めると身が引き締まる思いです。
宿に戻ったら精進料理の夕食。さて、明朝は早い。温泉に入り、早めにゆっくりと休みましょう。