旅館/宿・旅館関連情報

年末企画ガイドが選ぶ2004ランキング 超私的日本の宿ニュースベスト3(2ページ目)

2004年注目の宿をガイドがこだわって選定。今年はお宿にとって大きな転換年になりました。

井門 隆夫

執筆者:井門 隆夫

旅館ガイド

【第二位】宿坊ブーム

高野山の宿坊「三宝院」
宿坊が今年はブームになった(写真は高野山の「三宝院」)。
今年は、宿坊に関するガイドブックがいくつか出版されました。これは、今までにはあまりありませんでした。高野山が世界遺産に登録されたのも影響されたかもしれません(熊野古道関連記事はこちら)。政党の元党首さんもお遍路に行く時代です。
もちろん、宿坊での宿泊は、単に安いからというわけではありません。宿泊者には、忙しい日常に埋もれてしまっている自己を「みつめ直したい」という欲求があると思います。あるいは、「山でまぐろ」「豪華旅館」はもうたくさん。日本古来の精進料理や歴史・文化に触れたいという思いもあることでしょう。
旅の目的が、家では味わえない豪華な「非日常」性(上げ膳据え膳、広い露天風呂)から、物質的豊かさから脱したい「脱日常」性へ、言い換えれば「精神性」追求へと流れているような気がします。
【関連書籍】「宿坊に泊まる」

【第三位】温泉問題

正真正銘のにごり湯
でも、ホンモノが追求される時代になったのはいいことです。
2004年、この問題は避けて通れないでしょう。せめて第一位にしなかったのは、ガイドの「宿の復活にかける思い」と思ってください。台風被害といい、新潟中越地震といい、SARS去って海外(特に韓国)ブーム再来と、本当に日本の宿にとっては辛く厳しい一年でした。
発端となった白骨温泉は入込み客数が半減したそうです。偽装問題を生んだ伊香保温泉も、客数が激減した年だったようです。
しかし、一部を除きほとんどが「まっとうな宿」だということを忘れないでいただければ幸いです。不当表示や温泉偽装を続ける宿は、きっと淘汰されます。「ざる法」と言われた温泉法も、改正の動きがあります。「大深度井戸水」を汲み上げて温泉(?)を作り上げる公共事業もさすがにもうできないでしょう。万一、次回同じ問題を起こせば、その温泉は、抹殺されると思います。
この問題を契機に、これからの温泉復活に期待していていましょう!
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