【その5】食事が食べきれる。
これは私たち消費者もいけないのですが、旅館の食事がどんどん多量になっていきました。そして旬のもの、地のものが消え、業界では「赤物」と呼ばれる「エビ・カニ・マグロ・牛肉」で埋め尽くされた没個性な食事が「旅館料理」と称されるようになってしまいました。海外のホテルの朝食ブッフェで、食べきれない量の料理を盛って冷たい視線を浴びていた私たちが今反省すべきは、「もう量を求めない」ということでしょう。5月から「食品リサイクル法」が施行され、過度な生ゴミを出す業者は罰せられ、環境に優しい旅館が求めらるようになりました。そう、これからは「食事が食べきれる旅館」が良い旅館ということができるでしょう。
【その6】朝、無理矢理起こさない。冷蔵庫がガチャンと閉まらない。
私は小梅が嫌いです。なぜなら、頼まないのに「おはようございます。お茶と小梅をお持ちしました」と朝早く起こされることが度々あるからです。もちろん、勤務の都合もあり、起きて出て行って欲しい気持ちもわかります。しかし、たまには休みたいのです。どうか朝早く起こさない方法を考えてください。目覚まし代わりに、自動カウント冷蔵庫がガチャンと音を立てて閉まるのも最悪です。その中には、冷蔵庫が高いので自動販売機で買っておいたジュースが入っていることもありますしね。旅館の都合を押し付けることはサービスでも何でもないのです。
【理想の旅館:実例】有馬温泉「花小宿」
● 古びた木造9室の小さな和風旅館で、リピーターであふれています。
● 和室ながらベッドを使ったツイン仕様になっていて、ルームチャージ制です。
● お風呂は各部屋で交替制の小さなものですが、有馬特有の金泉と銀泉の源泉です。
● 夕食・朝食はお好みで「料膳 旬重」でいただけます。ご飯はかまどで炊き、焼物はオープンキッチンの炭火で焼いてくれます。
● チェックアウトは12時です。
● 残念でもありますが、子どもは受け入れていません。大人のための宿です。
写真:花小宿
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