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転勤にはついて行きません! 妻たちの本音

昨今のいろんな社会現象を反映してか転勤について行かない家庭が増えているようです。単身赴任を言い渡す妻たちの苦渋の決断を追ってみました。

執筆者:All About 編集部

いきなり夫に転勤命令が出たら、どうしますか? ついて行くか行かないか、大きな決断を迫られるのは妻。「今回はついて行けない!」増え続ける単身赴任。妻たちの本音をのぞいてみました。

増加する単身赴任

引越し、転勤
一番大切なものは何? 
財団法人労務行政研究所が2005年に企業(上場、店頭登録企業3702社)に行った調査によると、「5年前に比べて単身赴任者が増えた、という企業が約3割に上った」と報告されています。当研究所によるとその背景には「事業基盤の充実・拡大や組織の活性化といった企業側の事情と、子供の教育・進学問題や両親の介護などの理由を挙げる社員側の事情」があると考えています。

単身赴任を決断した妻たち、一体どんな悩みを抱えているのでしょう?

定年まで続く転勤! 私って何?

都内のある社宅では、異動の発表日ともなると終日社宅内がその話題で持ちきりになると言います。異動にひっかかりそうな家庭はハラハラドキドキ。固唾を飲んで夫からの報告を待っているのです。

引越し、自分
もうそろそろ落ち着きたい。私の人生は誰のモノ?
社宅に住む主婦Aさんは、13歳の子どもと3人暮らし。過去3回、夫の転勤に付き合ってきました。「ひんぱんに転勤を経験した私たちでさえ、異動の発表の日は判決を言い渡されるのを待っているような気にさせられます。毎回のことですが、辞令が出れば家族一緒に行くのか、単身で赴任するのか、一両日中に決めないといけないんです。そんな大切な時にもかかわらず、夫は送迎会にひっぱり出されて帰宅は午前様。私の人生は? と考えると空しくなります。もう振り回されるのは勘弁して欲しいというのが本当の気持ちです。」

Aさんは、過去の赴任地での生活を振り返っても、精神的にタフになったこと以外得たものはなかったと考えています。家族一緒にいたいという気持ちは今も変わらないそうですが、定年までこのままでいいのか? 正しい答えはわかりません。「次回は単身で赴任してもらおうと思っています。」赴任先でも企業という同じグループに所属できる夫と、全く別のコミュニティーに入る自分とでは立場がまるで違うと考え出したからです。

子どもの今後がやはり心配

ガイドが30代~40代の主婦を対象に行ったアンケートの中でも、転勤先について行けない第一の理由として、大半の方が子どもの教育・進学問題を挙げています。子どもの年齢が単身赴任するかどうかを大きく左右する鍵となっているようです。また持ち家であるかどうかも複雑にからみあい、引越しはしたくないけど持ち家がないためしぶしぶ夫の転勤について行くケースも多く見受けられました。

一般的に子どもが大きくなるにしたがって、単身赴任を選ぶ家庭は増えてきます。単身赴任に踏み切る時期は子どもの受験、転居先の教育環境や個人の順応性によっても異なるところ。しかし、まだ子どもが小さい場合、単身赴任について周囲からの理解は得られにくく、心ない言葉に悩む人が多いのも事実です。

引越し、子ども
自分の子どもを守れるのは自分しかいない
小学5年生、1年生の子供を持つ主婦Bさんは夫の転勤が決まった時に夫の実家から言われた言葉に傷ついたと言います。「まだ下の子は一年生。家族一緒が一番よ。どんな問題があっても家族一緒なら乗り切っていけるわよ。自然が一杯残っているところでのびのび過ごすのが子供にとってはいいことなんだから。」

そんな実家からの冷たい視線を感じながらも、Bさんは「ついて行かない」という選択肢を選びました。上の子の中学受験のためです。周囲から「まだ下の子は小さいのにねえ……」と言われる度に心は痛みます。でもしょせん人は人。子どもの責任を負うのは、親である私たちなんだからと考えました。

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