引越し/引越し関連情報

住民票交付の制限~DV被害者の引越し

近年増え続ける離婚件数。そんな中、DV被害による離婚を決意したAさんから寄せられたメールをもとに、DV被害による引越しを調べてみました。

執筆者:All About 編集部

引越し、DV
最初の一歩がなかなか踏み出せずにいたけれど
「子ども2人を連れて家を出ました。」当サイトにAさんからこんなメールをいただきました。Aさんは、度重なるパートナー(ご主人)からの暴力(DV)に耐えかねて以前から離婚を考えていました。しかし『自分が変われば主人も変わるのでは?』というかすかな望みをずっと抱き続けていたといいます。そんな期待もむなしく、結婚当初から続く暴力は一向に収まる気配はありません。離婚への踏ん切りがつかないAさんを別居へと駆り立てる機会がとうとうやってきました。それはパートナーの長期出張でした。

「引越しが完了するまでは、極度の緊張状態にありました。今は、あの生活から抜け出せた安堵感で一杯です。だからこそ同じ様な悩みを持つ方に役立てばとメールを差し上げました。」Aさんからの経験談を基にDV被害者の引越しについて調べてみました。

1分57秒に1組が離婚!DV被害経験者は33パーセントの現実


厚生労働省が行う「人口動態統計」を基に婚姻、離婚の件数を抜粋してまとめてみました。

<人口動態総覧の年次推移>
離婚
(資料:厚生労働省)※1.平成17年は推計値

平成16年を取り上げてみると、婚姻件数720,417組に対し、離婚件数は270,804組。単純に計算すると婚姻件数に対する離婚率は37パーセントにものぼります。さらに時間で表すと1分57秒に1組が離婚。最近離婚話をよく耳にするのも無理もありません。

また内閣府が2005年に行った調査によるとDV被害を受けたことのある女性は33.2%。そのうち「別れたいと思ったが、別れなかった」人が43.2%。実際行動に移すか否かは別として、パートナーと別れ新しい生活を歩み出したいと考えている女性は多いようです。

DVから逃れるため離婚を決意!

引越し、けんか
いつまでたっても収まりそうのない暴力。この辺でリセットしなければ
離婚の中でもDVの問題を抱える場合は、パートナーに引越し先を知られたくない、パートナーに気づかれずに引越しをしたいという問題に直面します。Aさんのケースもそうでした。「いざ家を出るとなるといろいろな問題が頭をよぎりました。一番こわかったのが引越し先をパートナーに特定されること。あとは、住むところをどうしようとか、相手に気づかれずに引越しが出来るのかなどでした。子ども2人抱えて、頼れるのは自分1人という感じだったので……」

そんな時に聞かされたパートナーの長期出張。Aさんは新しい生活に踏み切る決意を固めました。「この生活から逃れられるのは今しかない!と思いました。自分でもびっくりしたのですが、一度決心するとすごいパワーが与えられたような気がしました。」

さてどんな地域に住めばいいんだろう

引越し、新しい街
ここを出よう!きっと新しい世界が待っている
「まずは引越し先を決めることから始めました。すぐに思い浮かんだのが実家、友人宅。でもきっと相手も真っ先にここを当たると思ったんです。押しかけられて迷惑をかけるのが目に見えていたので、自分で部屋を借りようと考えました。」Aさんは結婚後も仕事を続けていたこともあり、家族3人がしばらく生活していくには困らない備えがあったそうです。

「どの地域に住むかさえも考えていなかったので、ネットでいろいろな物件を見つけることにしました。とにかく家を出ることが目的なので、あれやこれと選んではいられなかったですが、母子3人で少しでも快適に生活ができるよう保育園の待機児童の状況、児童や医療に関する手当てなど、福祉が充実している地域を優先的に選びました。これくらいならネットで簡単に調べることができます。」

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