お歳暮を贈る時期はいつ?……最近では年末の混乱を避けて11月下旬から贈る人が多くなっている
お歳暮の起源と由来
日本にしかない「お歳暮」という慣習。お正月に祖霊(先祖の霊)を迎えて御魂祭りの御供え物や贈り物をした日本古来の習わしが起源とされています。嫁いだり、分家した人が親元へお正月になると集まり御供え物を持ち寄ったのが始まり。かつては、お歳暮に使う品は年越しに必要な御供え物を贈ることから、塩鮭、塩ぶり、数の子、するめ、もちなど食料品を送る風習でした。現代ではそういうことにはこだわらず、さまざまな品物が贈られていますが、昔は新年の準備を始める12月13日から20日までに贈られたそうです。今では、日ごろお世話になっている方々への年末のあいさつになり、贈答儀礼に変わりつつあります。
お歳暮を贈る時期
季節のあいさつのため贈るタイミングをはずさないようにしましょう。正式には「事始めの日」というお正月をお祝いする準備を始める12月13日から12月20日までに贈るものでしたが、現在では11月末頃から贈られる方も多いようです。また、関東では12月初旬から12月31日、関西では12月13日から12月31日までとされていますが、暮れも押しせまった忙しい時期に届いても迷惑なので、できれば20日くらいまでが無難。お正月用の生鮮食料品を贈る場合は反対に遅めの方が親切ですよね。
※12月26日以降になると「謹賀新年」が「寒中見舞い」になるのと同様に「お歳暮」が「御年賀」「寒中御見舞い」となるのが正式マナー。お正月用品を贈るのでしたら年内ぎりぎりに間に合うように「お歳暮」でも大丈夫。
贈るタイミングを逃したら
年内に間に合わなかったら関東地方では1月7日(松の内)までに、関西地方では15日までに表書きを「御年賀」として届くように。さらに遅れた場合は、松の内がすぎてから立春(2月4日頃)の間まで「寒中お伺い」や「寒中御見舞い」として贈ります。最近のお歳暮事情とは?
2021年のお歳暮はどんなものが人気になるのでしょうか。予算や贈る相手などの傾向も気になるところです。昨年から続くコロナ禍でお歳暮は手渡しではなくネット通販を利用して贈るというように変わってきているようです。また昨年は外出自粛から帰省できないため、手土産の代わりにネットを利用して贈る方もありました。そこで今回、本記事執筆時点での最新データとして、アイランド株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:粟飯原 理咲)が運営する、日本最大級のお取り寄せの情報サイト「おとりよせネット」で、2020年に実施されたお歳暮に関するアンケートの調査結果を参考にして、最近のお歳暮事情を考えてみました。
コロナ禍が収束しつつも、いままでのようなスタイルにはそう簡単にはもどれない……と感じました。
■新型コロナウィルスの影響により、2019年と比べて2020年のお歳暮は贈り方や贈るもの、対応などが変わりそうですか(n=425)
コロナ禍では手渡しではなく、ネット通販という考え方に変わってきています
とても変わると思う(7%)と、変わると思う(26%)と回答された選択理由は、コロナウイルス感染症の影響から手渡しではなくネット通販を利用して贈るというように変わってきています。また外出自粛から帰省できないため、手土産の代わりにネットを利用して贈る方もありました。
■2020年のお歳暮の渡し方を教えてください (n=300)
直接店に行かず、ネット通販に変更をするという意見もあり、コロナ禍での影響で贈る方法も変わったようです
贈りたいもの(最近の傾向は?)
2020年のお歳暮に贈ろうと考えているものを教えてください(n=295)家族で楽しめる食品、ご当地の名物料理、産地直送の農産物など、贈る相手への心遣いが見られます
■贈りたいものベスト5
1位:洋菓子・スイーツ……47%
2位:肉・ハム・ソーセージ ……39%
3位:和菓子・和スイーツ……36%
4位:ビール・ワイン・洋酒……30%
5位:魚介類・シーフード……20%
今年の傾向は昨年同様に家族で楽しめる食品や外食や対面での食事の機会ができない代わりに高級な食品、たとえば旅行気分を味わえるご当地の名物料理、産地直送の農産物、秘蔵の地酒などを贈るなど、相手への心遣いが見られます。
またコロナ禍では皆でシェアをするものではなくて、一つずつ小分けになっている食品を選ぶ傾向も見られます。
お歳暮の予算
金額はお中元の2~3割り増しが目安。5000円と3000円の商品が主流ですが、贈り先に合わせて価格帯を使い分けるのがポイント。・「あまり大げさにならず、気の遣わせない3000円の品物」
・「毎年、叔父と叔母にクリスマスプレゼントを兼ねて、5000円前後の物を贈っている」
・「兄弟 5000円、親戚の子ども3000円」
・「上司5000円 両親3000円」
お中元を贈った相手にはお歳暮も贈るのが一般的です。お中元、お歳暮のどちらか一方を贈るなら、お中元より一年の締めくくりの意味でもお歳暮を贈るのがよいでしょう。
贈り物をする機会は、お歳暮に限らず日常よくあることですが、日本人だけが大切にしてきた習慣である「お歳暮」。この一年のお付き合いに感謝をして、相手の喜ぶものを贈りたいものですね。
【参考データ】
「2020年のお歳暮に関するアンケート」
- 調査方法:おとりよせネットにてアンケートを実施
- 回答者詳細:
・男性25%・女性75%・回答しない1%
・20代6%・30代20%・40代33%・50代25%・60代以上15%
・会社員32%/専業主婦 主夫26%/パート・アルバイト21%/自営業6%/その他15% - 有効回答:425名※設問により回答数が異なります
- アンケート実施期間:2020年9月11日正午~9月16日正午
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