もう既にご存じかと思いますが、平成13年9月1日の午前0時58分ごろ、東京都新宿区歌舞伎町1の雑居ビル「明星56ビル」(地上4階、地下2階)で火災が発生しました。この火災で、ビル内にいた57人の内、44人の方が亡くなるという大惨事となりました。これ程までの被害者を出した火災は、最近ではありませんでした。警察庁によりますと、1972年5月の大阪・千日デパートビル火災(死者118人)に次いで1982年2月の東京都赤坂の、ホテルニュージャパン火災(死者33人)を上回るという、戦後5番目に数えられる大惨事となりました。
この火事で、消防隊は、第2出場及び救急特別出場により101台の消防車両(消防車・はしご車・ポンプ車53台、救急車48台)を出動させ、被害者は22カ所の病院に搬送されました。
火災原因として、放火説が有力になりつつありますが、問題は消防法を無視した、ずさんなビル管理です。と、いいましても、きちんと設備の点検や管理が行われていたとしても、このビルに居た方が、全員逃げる事が出来たかどうかは判りません。
それでも、きちんとした防火体制と、消防設備の維持管理、がなされていれば、随分と違った結果となったでしょう。亡くなった44人の方の発見場所は、3階のマージャンゲーム店「一休」で16人、4階の飲食店「スーパールーズ」で28人でした。
火災が発生したら、通常の消防設備であればどのように我々に教えてくれるのか、そして火災のあったこのビルではどうだったのかを見比べて頂きたいと思います。
いざというときの消防設備:排煙口
『有毒な煙を吹き飛ばせ!』