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人気作家さんに伺った漆器のお手入れ術(3ページ目)

おせち料理用に漆のお重箱を出す時期がきましたね。漆器はホームパーティに使っても豪華で素敵です。今回はNYの展示会など各地でご活躍の作家、島さんにお手入れ術を教えていただきました。

毎田 祥子

執筆者:毎田 祥子

家事ガイド

結婚祝いにいただいたガイド宅のお重箱は厳重保管で年に一度お目にかかるだけでしたが、これからは出番が増えそうです。

保管は柔らかい布か紙で包んで

ガイド:次に保管について伺いたいと思います。保管するときは、買ってきたときの箱に必ずしまうという感じですか?

島さん:御重箱やもてなし用の器ならそれがよいですが、ふだん使いのお椀なんかは他の食器と同じ扱いで大丈夫です。お客様用なら間にティッシュをはさんでおくとよいですよ。

年に一、二度使う大切な器は、柔らかい紙か、布に包んで箱に納め、乾燥しすぎない所に保管してください。 銘々皿(菓子小皿)のように数枚を重ねて保管する場合は、間に布やキッチンペーパーをはさみます。

紫外線と乾燥を避けて収納

ガイド:押入れに入れてよいのかどうかなど、収納場所に迷うことがあるのですが?

島さん:押入れで大丈夫ですよ。漆で一番気をつけなければいけないのは紫外線。紫外線に弱いので、その点押入れは良い場所です。

ガイド:湿気についてはいかがでしょうか?

島さん:むしろ乾燥する場所のほうがいけません。
湿気については、ちゃんと作ってあるものなら大丈夫。ふつうの住宅に置いておくにはそこまで神経質にならなくてもよいです。

湿気がよくないというケースは、漆がどうのこうのより、中に使っている木が湿気を含んで歪んだ結果、表面の漆にヒビが入ってしまうというものです。ふつう何度も乾燥させた木を使っているので心配ありません。それに漆は水を吸って乾燥する性質のものなのです。

ガイド:水分で乾燥するんですか!?

島さん:矛盾するようなお話ですが、漆は水分を吸って堅くなるので、漆器の製作工程のうち乾燥をさせるときには湿度を上げます。水分がありすぎると黒く曇ってしまいます。

製造元の中にはまれに、塗りたてで乾かす時間が十分でないものを納品するケースがあり、そのような場合、まだ漆が「動く」状態なので、湿度の高い環境に置くと艶がなくなり曇ってしまうことがあると聞きます。でも普通は完全に乾燥させてから販売するので大丈夫ですよ。


それでは最後になりましたが島さんの作品についてうかがいます。 次ページへ!
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