漆独特のつややかさを失わないように。画像は紀州漆器の根来塗。((株)島安汎工芸製作所製)食器洗い乾燥機が×なワケガイド:最近は食洗機OKという汁椀も見かけますが・・・?島さん:あれは中に木の代わりに耐熱プラスチックを使っているのだと思います。ガイド:漆が高熱に弱い・・・ということはないんですか?島さん:業務用でなく家庭用の食洗機なら高温といっても知れてますからその点ではないですね。漆器は熱い汁物を入れても大丈夫なものですから。ガイド:なるほど、食洗機は熱湯レベルですものね。我が家の機種で85℃くらいです。でも食洗機で洗うのは避けたほうがよいと書いてあるのですが?島さん:よくないのは、食器洗い機に使う専用のコンパクト洗剤に含まれている“磨き粉成分”です。あれは漆の光沢を消してしまうんです。クリスタルグラスが曇ってしまうのも同じことですよ。ガイド:漆器が傷つくとそこから漆が剥げるのしょうか。島さん:落としたりぶつけたりすると、傷つきひび割れることもありますよね。傷がつくと、その間から水が中に入り込み、中の木に染み込んで木から膨らんでしまうこともあって、そうなるとそこから塗が割れて剥げる元になります。ガイド:漆の塗りの内側は木でできているのですね。島さん:漆器は、木材で型を作り、その上に漆を塗って乾燥させ、磨いて、また塗って乾燥させてという作業を何度も何度も重ねて作られます。このため製作には最低1か月(木型を別の製作所へ発注するメーカーだと約2か月)から、長くて半年かかることもあります。時間をかけて作られているからこそ重厚さや品だけでなく温かみもある器ができあがるのでしょうか。つづけて、収納についてうかがいます。 次ページへ!前のページへ1234次のページへ