小動物/その他のペットの飼い方

はじめての小さなペット(猫飼育者編)(3ページ目)

猫を飼っている、または飼っていた人、野良猫さんに友達のいる人が、小さなペットを飼おうと思ったときに読んで欲しい、猫と小さなペットの違いについて紹介します。

執筆者:村田 亜衣

小さなペットと猫の共通点

食いしん坊フェレ
フェレットフードが普及する前、フェレットにはキャットフードを与えている方がほとんどでした(今でも、キャットフードを与えている人もいると思います)。
猫と相性の良い小さなペットとして、よくいわれるのはフェレットです。実際、猫とフェレットには共通するところが多いので、いっしょに飼いやすいと言えます。猫とフェレットの共通点には、次のようなことがあります。
  • たんぱく質を多く含む食事を食べる、肉食傾向の強いペットである
  • 素早く動くものに惹きつけられる、捕食者である
  • 好奇心が旺盛で、箱や狭いところに入り込むのが好きである
温度管理を除けば、猫とフェレットは同じ飼い方で飼うことができるのです(猫は人間と同じ環境温度で飼育できますが、フェレットは真夏に環境温度が上がり過ぎないように温度管理する必要があります)。ただし、病気の面では猫とフェレットには違いがありますので、それぞれ別のワクチンを接種する必要があります。

フェレットのように猫と同じ食肉目の小さなペットは、猫の次に飼う小さなペットとしては、飼いやすく感じられるのでおすすめです。

また、フェレットは猫といっしょに飼うのにも適したペットといえます。ただし、猫もフェレットも個性により相性がありますので、必ず仲良くなるとは言い切れません。我が家では、猫とフェレットは問題なく仲良くしておりますが、友人宅の猫とフェレットは相性が合わず、同じ部屋に放すことができずにいるそうです。

ハムスターやウサギなどの被捕食者(獲物として狙われる立場の生き物)は、捕食者である猫とは違う行動を取ることが多く、猫との共通点も少ないです。ハムスターやウサギを飼うときは、猫とはまったく違う生き物であることを理解したうえで飼うようにしてください。

猫との同居が難しい方たち

鳥さん
鳥さんは、猫といっしょだとストレスを受けることがあります。
猫がねずみを追いかける漫画があるように、猫にとっては、ねずみは獲物やおもちゃと考えられてしまいやすいです。ですので、ハムスターなどの小さなげっ歯類は、猫との同居には向いていません。猫に狙われることによりストレスを多く受けることになりかねません(実際に捕らえられなくても、ケージの付近で狙っている熱い視線を受けたり、ケージに飛びつかれたりするだけで小さなげっ歯類にはストレスになることがあります)。

猫に狙われやすい(獲物やおもちゃと考えられやすい)という面では、鳥類も猫との同居は難しいです。猫がねずみや鳥類を狙うのは本能に従っているだけのことで、悪意があるわけではありません。でも、悪意がなくても狙われた方には負担がかかりますので、無理に小さなペットと猫とを同居させる必要はないと思います。

ただし、猫にも個性がありますので、小さなペットやほかの生き物との同居に向いている猫というのもいます。一般的に仔猫時代はやんちゃですので、大人になってから猫の性格を判断し、狩猟本能が強くない子や飼い主の言うことを聞いてしまう子であれば、ほかの種類のペットといっしょに飼うのはあまり難しくないようです。

小さなペットは避妊去勢手術をしないのが普通

仲良しその1
仲良くなることもあれば仲良くなれないこともありますので、猫と小さなペットとは無理していっしょにはしないでください。
繁殖の予定がなく猫を飼う場合、避妊および去勢手術を行うのが一般的です。これは、飼いきれない子供を産ませないようにするだけでなく、メス猫の婦人科系の病気の予防やオス猫の発情期の行動を制限することなどを目的としており、多くの猫の飼い主さんが飼い猫のことを考えて実施していらっしゃることです。

でも、小さなペットでは避妊や去勢手術を行うことはほとんどありません。小さなペットの繁殖制限は飼育ケージを分けることで行うのが一般的であり、ウサギのようにある程度大きさのある種類においては病気予防を目的として避妊手術を行うこともありますが、ハムスターのような小さな種類では手術を行うことが負担になるおそれが高いため、避妊手術を行うことはすごくまれです。

また、発情期の行動を制限しようと考えるよりも、発情期の間は行動に変化があらわれるものとして考えるのが一般的で、行動を制限するために去勢手術を行うこともまずありません(猿やモモンガなど一部の小さなペットに見られるおしっこをひっかけて行うマーキング行動も、小さなペットの場合には彼らに必要な行動として考えます)。

避妊および去勢手術をしないことがいいことだとは思いません。発情しても交配できずにいるというのは、小さなペットたちにとっても、多少かもしれませんが負担だと思います。また、発情期のたびに交配させていても、それもそれで小さなペットたちに負担です。

今後、小さなペットの避妊および去勢手術に関する考え方は変わっていく可能性があります。でも、現段階では小さなペットに避妊および去勢手術をすることは一般的ではありませんので、猫のようには避妊および去勢手術を考えないようにしてください。
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