ペットの美容師兼アドバイザー
主に犬のヘアーカットを行うと言っても、それだけがトリマーの仕事ではありません。爪切りや耳掃除など、飼い主さんの要望に応じてグルーミングを行うこともあります。また、ブラッシングの方法などを飼い主さんにアドバイスすることも多いです。私にはトリミングのお店を経営している友人が何人かいるのですが、彼女たちの話を聞いていると、トリマーは総合的なペットのケアについて求められる仕事に思います。ペットをきれいにするだけではなく、ペットの健康状態(皮毛の健康状態)について飼い主さんに説明したり、健康状態を維持するためにどうすればいいかを教えたりすることが少なくありません。ときには飼い主さんが気が付いていなかった病気の兆候に気が付くこともありますし、ペット用品を説明(紹介)することもあります。
トリマーの仕事は、飼い主さんと話すことが多い仕事ですので、接客業でもあります。お金がかかるから、めんどくさいから、と飼い主さんがペットのケアを怠ってしまうと、ペットが体調を崩すことがあります。トリマーが正しく、飼い主ができるケア方法を伝えたり、トリミングに出すタイミングを伝えたりすることで、ペットの健康が維持しやすくなる面もありますので、ペットへの愛情を必要とされる仕事とも言えるでしょう。
美容院と同じように、トリミングもそれだけで開業できる仕事です。人気のあるトリマーさんは固定客を持ち、それなりに利益をあげることもできるようです。けれども、ペットショップや動物病院に併設されていることが多いです。
トリマーをしている私の友人たちは、たまたま彼女たちがいろんな種類のペットに興味を持っているだけなのかもしれませんが、犬だけに限らず知識が豊富で、話しているだけでも楽しい相手です。人間の美容師もそうですが、トリマーも、お客さんが会話を楽しめる相手であることが望まれる仕事ではないかと思います。トリミングの技術はもちろん必要ですが、あなたの魅力も必要となるでしょう。
学ぶことの多い仕事です
トリマーになるためには、専門学校でトリミングの技術を学びます。専門学校では、人気のトイ・プードルなどで犬のヘアーカット技術などを学びます。私達の髪型に流行があるように、犬のヘアーカットにも流行があります。ですので、専門学校で学べばそれで終わり、というわけにはいきません。トリマーとして働き出してからも流行のスタイルを学んだり、新しいトリミング用品についての知識を身につけるなど、常に勉強する必要があるでしょう。
また、うさぎやフェレットの爪切りをしたり、皮膚が弱くシャンプー選びが重要な子のトリミングをしたりするなど、専門学校では教わらなかったことを経験する可能性もあります。トリマーという仕事は、自分の知識欲を刺激されながら飼い主に喜ばれる仕事なのかもしれません。