小動物/ペットから感染する病気

これでSARSが防げたのか? ハクビシン大虐殺

大げさだと思われる方がほとんどでしょうが、あえて「大虐殺」とさせて頂きました。中国政府がSARS対策として行ったハクビシンの処分です。

執筆者:村田 亜衣

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昨年、猛威をふるったSARS。
悲しいことに今年も感染者が出始めてしまいました。
そして、人間の愚かさをあらわす出来事が起きました。

▼SARS
正式には「Severe Acute Respiratory Syndrome (重症急性呼吸器症候群)」という病名のSARSは、昨年死亡数774名を含む8,087名(世界保健機構(WHO)発表数)に感染した、世界的に流行した感染力が高く、死亡率も高い感染症です。
病気の原因はコロナウィルス
風邪のように感染者と接触することにより、感染者が咳やくしゃみをするときに飛び出 したウィルスを浴びるなどして感染します。
感染後は2~10日間の潜伏期間を経た後、高熱や咳、呼吸困難等の症状が出ます。 *SARSの詳しい情報、及び昨年の状況等については、以下のリンクを参照ください。

  • SARSが恐い理由
  • SARS対策はこの冬までに!
  • 旅行者の為のSARS基礎知識
  • SARSの流行をふせぐ!
    ▼ハクビシンは感染源?
    SARSの怖い理由のひとつになると思われることに感染源が特定できていないことがあります。
    昨年、一度ハクビシンが感染源と発表されたことがありましたが、すぐにそれは撤回され、ハクビシンに迷惑をかけただけでした。
    しかし、ハクビシンやタヌキ等の野生動物がSARSコロナウィルスに近いコロナウィルスを持っていることは多く、今も感染源として疑われています。
    また、動物への感染テストによるとSARSは身近なペットである猫やフェレットにも感染することが確認されており、野生動物だけでなくペットも感染源となることが明らかになっています。

    とはいっても、日本の野生動物、及びペットが現在SARSコロナウィルスに感染しているかどうかという話になると、少し変わってきます。
    まず、野生動物においては、現時点ではSARSコロナウィルスを持っているかという調査は行われておりません。しかしながら、昨年あれほど全国的にSARSが流行したにも関わらず日本国内での感染例が無かったことを考えると、国内の野生動物においては、人間が接触する機会の多い種類においてはSARSウィルスはもっていない、と考えることができると思います。

    次にペットですが、こちらは不安要素があります。
    現在、日本で流通しているペットの大部分は輸入されてきた動物たち。
    昨年SARSの発生した国々からも輸入されていたわけですので、近い形のコロナウィルスは持っているかもしれません。
    もしかしたら、ペットの持つコロナウィルスがなんらかの理由で突然変異を起こしてSARSウィルスになる可能性もありますので、輸入動物については100%安全、とは言い切れないでしょう。
    けれども、野生動物よりもより人間に近い場所にいるにも関わらず今までに人間の感染例があがってないわけですから、SARSウィルスをもっている可能性は低いと言えると思います。


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