まだまだ飼育情報に不明なことの多いハリネズミにおいて今一番用心すべき病気がWHS(Wobbly Hedgehog Syndrome)です。この病気は原因がまだ判明していません。ですので、予防法も確実なものがないのです。
WHSは足(特に後足)が動かなくなってしまう病気で、初期段階では身体を震わす症状を見せます。ハリネズミは寒くても身体を震わしますので、WHSの症状なのか、寒さから震えているのか判断できるように保温をしっかりしておかないと判断は難しくなります。
発病すると徐々に足が弱くなり、終いには歩けなくなり、死んでしまいます。飼い主が足をマッサージすることなどで悪化を遅らせることができたとしても、効果的な治療法はまだありませんので、現段階では治すことはできません。
原因として考えられているものには、遺伝や餌(ビタミンB1)などがあります。どちらもまだ”原因のひとつである可能性”があるだけではっきりと原因だと判明しているわけではありません。
ペットショップで購入した個体の遺伝に関してはどうしようもないですが、餌は気を付けることができるかと思います。市販のハリネズミ専用フードに頼りっぱなしにせずに栄養補助剤を混ぜたり、手作りでいろいろなものを与えるようにして栄養バランスをとるなど工夫をしてあげるといいでしょう。
餌が原因と判明しているわけではありませんのでWHS予防としては無駄になってしまうかもしれませんが、ビタミンB1(チアミン)不足は食欲不振や神経系の病気を引き起こす原因のひとつでもありますので、補ってあげることはハリネズミの健康にとっていいことでもあります。
また、ストレスを与えない飼育環境を作ることも予防に繋がるのではないかと思います。ストレスは身体の抵抗力を弱めてしまいますので、健康を保つためにできるだけ少なくしてあげて下さい。
日本ではほとんど取り上げられていないWHSですが、この病気が疑われる死に方をしているハリネズミは多くいます。一日も早くこの病気の原因が判明され、予防法・治療法ができることを期待しています。
〈関連サイト〉
・WHS(HEDGEHOG)
ハリネズミを飼育している人がまとめたWHSの記事。
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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。