フェレットには”副腎腫瘍”という病気があります。これは副腎に腫瘍ができてしまう病気で、残念なことにフェレットに多い病気でもあります。数年前に生後6週齢前後で去勢・不妊手術が行われることが発病と関係している可能性が高いと示唆され獣医学書籍でも紹介されましたが、2000年8月にアメリカで行われたエキゾチックの治療に関わる獣医師の学術大会(International Conference on Exotics 2000)にて去勢・不妊手術時期と発病数との関係は否定されました。副腎腫瘍はどのフェレットも発病する恐れのある病気なのです。
なぜ副腎に腫瘍ができるのか。それは去勢・不妊と関係があります。去勢・不妊することにより、作られた性ホルモンは行き場を失い、副腎に蓄積されるのです。
蓄積されること=100%発病する、というわけではありませんが、性ホルモンが蓄積されることにより腫瘍ができる可能性を持ってしまうわけです。
副腎に腫瘍ができてしまった場合、摘出手術をするのが一般的です。腫瘍部分を摘出してしまえば、数ヶ月でフェレットの体調は回復します。けれども、すでに腫瘍が転移している場合や、血管に近い場所にできてしまった場合などには摘出手術を受けても腫瘍細胞の一部を残すしかない場合がありますので、そういった場合には完治は難しいです。
副腎にできる腫瘍は悪性のものがほとんどですので、腫瘍細胞を残した場合には再発する可能性が残るのです。また、腫瘍が大きくなりすぎている場合(5cmくらいまで大きくなります)にも手術が困難になることがあります。
副腎腫瘍を治す大きなポイントは、”早期発見”です。発見が遅く、腫瘍が手術が困難なほど大きくなっていたり、転移している場合には、手術で回復する可能性が低くなってしまいます。副腎腫瘍の症状は尻尾から始まる全身の脱毛(毛が抜け落ちて皮膚が見えるようになる)ですので、見て判断することができます。
日頃から毛の状態をチェックするようにして早期発見を心がけ、フェレットが苦しむことのないようにしてあげて下さい。
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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。