熱帯魚/熱帯魚の飼育器具・水槽・用品

水槽の選び方

アクアリウムショップに行くと、沢山の水槽が売られていて、何を選んで良いか困ってしまうほど。そこで初めての水槽を選ぶための基準を、標準的な水槽を例に挙げて解説。想像以上に重くなる水槽選びは慎重に。

長谷川 秀樹

執筆者:長谷川 秀樹

熱帯魚ガイド

水槽のサイズを決める


水槽のサイズが大きければ大きいほど水質が安定し、中にいる魚はのびのびと泳ぐことができます。飼育する魚のサイズに関わらず、大きな水槽であるに越したことはありません。しかし、水槽のサイズが大きくなるほどに、初期費用、維持費用ともに上がり、また設置スペースの確保も難しくなってきます。しかも、水を入れた水槽は、想像以上に重いものになります。

参考までに、標準的な90cm水槽で、一通りセットした状態で約200kgの重量があります。180cm(奥行き、高さ、共に60cm)水槽で、約800kg以上になります。後者の場合、床補強をしなければ、一般的な住宅では床が抜けてしまいます。

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日本国内で、もっとも普及するサイズの60cm幅の水槽。普及サイズのため周辺器材が多く、コストパフォーマンス的にも優れる。
水槽の規格は、各社似たようなもので、横幅30~120cmのものが広く製品化されています。中でも、もっとも標準的なものが、横幅60cm、奥行き30cm、高さ36cmの水槽。日本の住宅事情にあっていることから、もっとも流通していると思われるサイズです。そのために価格もこなれ、このサイズに併せた周辺器材が豊富にそろっています。

水量は約56Lあり、水質の安定、水換えの労力から考えても、バランスの良いサイズです。色々な熱帯魚の飼育を楽しみたいのであれば、この水槽から始めると良いと思います。その後の応用もききます。

最近では、小型水槽の人気が高く、インテリア性に富んだ水槽が色々と販売されています。しかし、水量の少ない小型水槽では水質の維持が難しく、初心者には余りお勧めできません。また飼育できる魚の数も限られてしまいます。

水槽の素材


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水槽が大きくなるにつれて、アクリル水槽の方が割安に。また割れる心配が少ないので、突進力のある大型魚を飼う場合は必須。
通常、ガラス製の水槽が一般的ですが、大型水槽になるとアクリル製が主流になります。どちらの素材にも長短はあるものの、普及サイズの大半がガラス製。傷が付きにくく、長期にわたり透明度を維持できることから人気があります。しかし、重量があるため、大型水槽の場合、移動設置に大変な労力を伴います。また、堅いものをぶつけたり、水槽の壁面に突進する可能性がある大型魚の飼育では、ガラスが割れてしまう危険も否めません。

よって120cm以上の大型水槽では、アクリル製の割合が必然的に高くなります。加工が容易なこと、ガラスと比べ軽く、割れにくいなどの理由からも好まれます。しかし、素材自体の透明度はガラスよりも高いのですが、傷が付きやすく、表面が曇りやすいのが欠点。ただし力のある大型魚を飼う場合や、オーバーフロー加工する際は、アクリル水槽の選択が基本です。

一般的な熱帯魚を飼う場合、特に素材のことを考える必要はなく、ガラス製水槽が標準。大型水槽を検討する場合のみ、どちらを選ぶか選択すればよいと思います。その際、アクリル水槽では、粗悪な水槽が売られていることが稀にあります。一概には言えませんが、価格に比例する部分もあるので、余り安価なものはお勧めできません。


【参考】
120×45×45(cm)水槽の重量
ガラス水槽で約50kg、アクリル水槽で15kg。

180×60×60(cm)水槽の重量
ガラス水槽で約150kg、アクリル水槽で約45kg。

水槽の置き場所


水を入れた水槽は、かなりの重量になります。60cm以上の水槽を設置する際は、必ず専用の台に載せます。設置場所も重要で、水平のとれた強度のある床の上に設置します。

これを怠ると水槽が歪、水漏れの原因になります。短期的には大丈夫でも、長期間、不適切な状況に置かれることで、突然トラブルが起きる場合があります。水槽には大量の水が入っているので、いざトラブルが起きてからでは大変。水槽選びの際は、設置場所も十分に配慮し選択しましょう。

水槽のデザイン


フレームレス水槽
視界を遮るプラスチック製の枠がなく、近年人気のフレームレス水槽。まるで水中の景観を切り出したかのような、印象を与えてくれる。
最近の主流は、フレームレス(枠なし)水槽。5枚のガラスをシリコンで組み合わせてあるので、視界を遮る水槽枠がありません。以前の水槽には、ガラスの接合部分を補強する目的で、プラスチックの枠がついていました。更に古くは、ステンレスの枠が使われており、鑑賞面では邪魔者以外の何者でもありませんでした。シリコンの性能の向上などにより、邪魔な枠を取り除いた製品が販売され、まるで水中を切り出したかのような景観が演出できると人気が出ました。今でも枠のある水槽は販売されており、美観はやや劣りますが、管理のしやすさではこちらの方が上になります。

その他にも、様々な形状の水槽が販売されています。特に横幅30cm前後の小型水槽では、関連器材とトータル的にデザインされた、お洒落な水槽を数多くみかけます。それらの多くは、どちらかと言うと、インテリアの一部として気軽に飼育を楽しみたい方に向けたものになります。本格的に熱帯魚を飼うには役不足なことが多いので、割り切った選択が必要です。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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